私たちの国の高校野球は、強豪校の多くが、有能な選手を国内留学させて、甲子園に出場を目指す様です。授業料免除、奨学金支給もあるそうです。すでに小学生の頃から、目覚ましく活躍する野球少年に目を向けているのです。勝つため、つまり〈甲子園出場〉と言った大目的のために、青田買いをしているのです。そんな中、チーム全員が秋田県出身で構成する秋田の県立金足農業高校が、2018年の甲子園で大活躍していました。
出場校が、ほとんど私立の中、県立高校が高校選手権大会で、準優勝したのは快挙でした。野球界だけではなく、柔道でも、高校進学のための〈国内留学〉があって、一人の高校生が、私たちが住んでいる街の柔道の名門校に入学しました。時々、私たちの事務所に顔を見せてくれました。
二十代の前半に、私は左腕を骨折をし、住んでいた街の〈名倉堂〉と言う柔道整復院で診てもらいました。複雑骨折で、この方の手に負えないで、三つ先のJR駅の近くで開院されている、この方のお父上の所に行く様に言われたのです。
レントゲンを撮って、治療していただき、副木を当てられて、だいぶ通院しました。骨は繋がったのですが、〈くの字〉に曲がった腕が伸びませんでした。『甲州増富の温泉がいい!』と言われて湯治に出かけたりしたのです。ある時、時を見計らっていた父先生が、『エイッ!』と掛声をかけて伸ばして、それ以来、冬場にも痛みなしで半世紀になります。
あの高校生は、柔道界では、オリンピックに行ったりの活躍はできなかったのですが、お父上と同じ柔道整復師の資格を、3年の学びをして取得しました。その資格をとった彼が、ふと私の家にやって来たのです。そして『お世話になったお礼に、マッサージをさせてください!』と言って、最初の施術をしてくれたのです。
そんな律儀な彼に感謝して、喜んで受けたのです。すごく世話を焼かされた方がいても、そんな感謝をされることがないことが多い中、その気持ちが、とても嬉しかったのです。音沙汰がなくなって、もうだいぶ時が経ちます。先日、冬場に、十数年来起こる腰痛で難儀している中、長男が家内の通院の助けで来てくれた時、電話の向こう側の嫁御の勧めに従って、整形外科に連れて行ってもらいました。
『手術!』とは言われずに、温湿布、電子治療を受けたのですが、今は、家内が近くのドラッグストアに、一人で買いに行ってくれた〈ホッカイロ〉を腰に当てています。まあ、この腰痛と仲良くして行くことにしています。運動や重労働もしましたので、医師の診断は〈老の一部〉だそうです。“ オイオイ "泣いたりしていませんので、ご安心のほどを。
(子どもの頃の漫画の「イガグリくん」です)
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