中秋節の月餅

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 毎年、この時期になると、パン店をしていて、一年の稼ぎ商品が、「月餅yuebing/げっぺい」だとかで、それを若い友人が届けてくださったのです。三箱も、四箱も、いろいろな種類の箱詰めで、もう食べきれずに、お使い物で、お世話になっている友人宅に届けたりしました。

 普通は〈卵の黄身/満月をイメージしてです)〉の入ったものですが、nuts の入った餡のものは、抜群に美味しかったのです。わたしたちは、一人一個を食べていたら、華南の街の友人たちは、種類の違う一個一個を小さく切り分けて、少しづつ分け合って食べる習慣があって、驚かされたのです。

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 フライパンほどの大きさのものもあって、びっくり仰天したこともあります。分け合って、相手を思いやる風習は、中国のみなさんの素晴らしい習慣です。食べ物で、季節季節を感じる日本の習慣は、どうも大陸伝来の習慣のようです。

 父が、新宿の中村屋から買ってきて、食べさせてくれたことがありましたが、よく練り込んだ餡子の入ったもので、外見は同じようでした。今日は、帰国後、四回目の「中秋zhongqiujie/ちゅうしゅうせつ」になります。あの美味しい味が忘れられない、2022年の〈月餅の日〉です。どこで観ても、いつ観ても月は月なのです。

 ある年、みんなで月餅を食べた夕べ、一緒に家の外に出て、ワイワイしながら華南の街歩きをしたことがありました。満月が煌々(こうこう)と輝いて見下ろし、わたしたちは見上げていたのです。みなさんお元気でしょうか。老家laojia,故郷に帰った方もいるそうです。