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先日のNHKの「ひるのいこい」を聞いていましたら、昭和24年に、矢野涼の作詞、渡久地政信の作曲で、岡春夫が歌った「幸福はあの空から」が流れてきました。
黄昏の並木路
ひとり見てましょう
淋しさに 恋しさに
ひとり窓辺で見てましょう
やがてつく 街の灯が
暗い心を 照らして 照らして
来る来る 来る来る来る 来るよ
幸福(しあわせ)は あの街から
かならず やって来る 来るよ
あの頃の思い出を
そっと呼びましょう
過ぎし日を 夢の日を
そっと小声で呼びましょう
やがて出る 月さえも
愛し面影 浮かべて 浮かべて
来る来る 来る来る来る 来るよ
幸福は あの空から
かならず やって来る 来るよ
思い出を抱きしめて
じっと待ちましょう
苦しみも かなしみも
じっと耐(こら)えて待ちましょう
やがて来る 幸福に
涙なんかは おさらば おさらば
来る来る 来る来る来る 来るよ
幸福は いつの日にか
かならず やって来る 来るよ
とても明るくて明日に希望を繋いで生きる様に、聞く人の心を鼓舞した歌です。そういえば、戦後に流行った歌は、並木道子の「りんごの歌」、笠置シズ子の「銀座カンカン娘」などがありました。みんな明るくて夢や希望を与える様な歌が、よく歌われたそうです。
病気で不登校児の私は、朝からラジオを聞いて過ごしていましたから、クラシック音楽の「名演奏家の時間」、戦争で行くえの分からなくなった人を見つける「尋ね人」などを思い出しています。とくに、「ひるのいこい」は、全国の農林水産通信員の方々が便りを寄せていて、知らない町や村の名前を聞いては、どこかを探したりしたのです。
テーマ曲もあの頃と同じで、のんびり、ゆっくりした時の流れが感じられて、タイムスリップした様な感じがしてしまいます。私の学校の先輩に当たる方も、アナウンサーとして担当されていたのを、後になって知って、70年にも亘る番組は、ラジオ放送の《金字塔》ではないでしょうか。
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