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もう何年になるでしょうか、中国の内蒙古の省都のフフホトを訪ねたことがありました。泊まったホテルの支配人が、日本語が上手でしたので、『どうして、こんなに上手なんですか?』とお聞きしたら、『日本人観光客が多く見えられて・・・』と言っておられたのです。

子どもの頃から、夜空を見上げるのが好きで、時々、夢見る少年の様に、外に出ては、見上げていたことがあります。東京都下の街でも、星を観察することができたのです。吸い込まれそうになるのでしょうか、引き上げられてしまうのでしょうか。

親爺に叱られて家出して、小高い丘の上の草むらで寝て、涙ながらに夜空を見上げたことがありました。叱られたことなど忘れさせてくれて、その広さと、雄大さ、怪しい輝きに魅了されてしまったのです。そのことを思い出させてくれたのが、フフホト郊外の草原の夜空の星の広がりに、魅了させられた時でした。

ギリシャ神話に、星座の話が多く残されていますが、ギリシャ人が夜空を見上げて、たくましく想像力を働かせ、「星物語」を作り上げて来たのには驚かされます。「オリオン座」について、次の様な記事があります。

『オリオン座は古代から親しまれてきた星座ですから、いろいろな神話が残っています。 その中でも大サソリに刺されて死に、天に昇ったという話は一番有名でしょう。 その話は以下のようなものでした。

オリオンは美しい狩人で、ギリシアのボイオティアというところに住んでいました。 オリオンはキオス島のオイノピオン王の娘メロペが好きになってしまいます。そこで求婚しますが、 娘をかわいがっていた王はオリオンを拒否させようと「この島の獣を退治すればメロペをお前にやる」 と言ってしまいます。

狩りが得意なオリオンは、いとも簡単にその仕事をやり遂げてしまいます。そこで約束を守るように王に迫るのですが、 王はオリオンを酒に酔わして眠らせた上、目をつぶしてしまいます。

盲目になったオリオンですが、神に祈ると「東の海岸に行って日の光を浴びなさい」という神託を得ます。 そこで、レムノス島まで出かけ、無事に光を取り戻します。この後、王の下へ復讐に出かけるのですが、 それは成し遂げられませんでした。

この後、オリオンは月の女神アルテミスと駆動を共にするようになります。日が経つにつれ、オリオンはこの 女神のことを好きになってしまうのです。 困り果てたアルテミスは、大地の神ガイアに頼みます。そうするとガイアは、恐ろしい毒を持ったサソリをオリオンに 差し向け、見事刺し殺してしまいます。

この様子を天界から見ていた大神ゼウスは、美しいオリオンを惜しんで天に上げます。これがオリオン座となって輝いています(「天体写真の世界」より)。』
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福岡に所用で出かけた時に、お茶の名産で知られる八女市の星野村にお連れいただいたことがありました。そこは「ほしの村」と言って、星で〈村おこし〉をしているのです。山の中で、実に夜空が綺麗だったのです。今でも、〈夜空を見上げるジイジ〉をしていまして、人に手や思いに及ばない、《創造の美》に感動させられております。

(「オリオン座」と「星野村の夜景」です)

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