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国会の答弁で、どなたかが、「募集」と「募る」とは違うと言う様な意味で、話されたそうです。そんな言い回しを、〈ご飯論法〉と言うのだそうです。きっと苦し紛れの弁明をしたのかも知れませんが、国語力を疑われる様なことを言って、話題になっています。
この〈ご飯論法〉と言うのは、
花子さん 『ご飯食べたの?』
太郎さん 『ご飯は食べなかった!』
花子さん 『そう!』
太郎さん 『パンは食べたよ!』
※ 『お米は食べなかったけど!』
このことを言う様です。調べてみますと、いろんな〈論法〉があるのです。江戸時代に刊行された「浮世草子」の中に次の様な話があります。
『とかく今の世では有ふれた事ではゆかぬ。今日の大風で土ほこりが立ちて人の目の中へ入れば、世間にめくらが大ぶん出来る。そこで三味線がよふうれる。そうすると猫の皮がたんといるによって世界中の猫が大分へる。そふなれば鼠があばれ出すによって、おのづから箱の類をかぢりおる。爰(ここ)で箱屋をしたらば大分よかりそふなものじゃと思案は仕だしても、是(これ)も元手がなふては埒(らち)明(あか)ず』(無跡散人『世間学者気質』より)
ここに記された論法を、〈桶屋論法〉と言いのだそうです。
『風が吹けば、桶屋が儲かる。』と言う〈原因〉と〈結果〉の言い回しです。
① 強風が吹くと土埃が舞う
② そうすると、眼病を患う人が増える
③ それが昂じて盲人が増える
④ 目の悪い人が生計をたために門付けになろうとする
⑤ 三味線を習う
⑥ 三味線の需要が増える
⑦ 三味線には猫の皮が張られる
⑧ 猫が減る
⑨ ネズミが増える
⑨ ネズミが桶をかじる
⑩ 桶が売れる
⑪ 桶屋が儲かる
今年も、「春一番」が吹いたと、ニュースが伝えていましたが、もう桶屋は、街の中になくなってしまって、ほとんどがプラスチック製のものに取って代わってしまいました。私の通学路には、二軒もの桶屋がありました。檜を削る匂いが好きで、店先に座り込んで嗅いでいました。
落語のネタになりそうですが、『地球が温暖化が進むと、世界旅行の費用が高くなる!』のだそうです。〈理由〉と〈結果〉の間が省略されていて、話が飛躍してしまって、脈略がわからないのが、『どうして?』と思ってしまうところに面白みがある様です。「唐突(とうとつ)さ」があるのが、この〈桶屋論法〉なのでしょうか。
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