壬生町から「男体山(なんたいさん)」を望んだ写真です。きっと、多くの若者が、この鎮座しているかの様な山を仰いで、『この山の様に大きくなろう!』と心に決めて、故郷を後にしたのでしょう。ここに嫁いで来た嫁は、『この山の様に、ここから動かないわ!』と念じたことでしょう。
私の生まれふるさとにも、そんな山があり、川が流れ、木が生い、花が咲き、果実が実っていました。友人で、この住まわせてもらっている家のご主人が、『栃木県はいちご生産量がある日本一なんです!』と、昨日メールで知らせ、早朝の玄関のたたきの上に、そのイチゴをひとパックを置いてくれました。入院中の家内に届けるようにと言ってです。また、帰宅後、私の夕食にと「トロトロ豚肉」を調理した小鉢を、玄関の外のたたきの上に置いてくれたのです。
大陸で愛を受け、ここ祖国でも愛を受け、『ああ幸せ者よ!』と感謝しています。この方は、暮れにでしょうか、おせち料理を作られて、黒豆、数の子、ニシンの昆布巻きを、大陸からやってくる私たちのために、残しておいて、届けてくれました。まさに、正宗の《日本の味》なのです。手製パンケーキも美味しいりんごもありました。
彼は、ある学校で学びつつ、寮生の食事の賄いをしておられたことがあって、抜群に味が良いのです。奥様も料理上手なのですが、昔取った杵柄(きねづか)で、本業に勝るとも劣らない腕です。
ああ、祖国も、友も、家族も、実に好いものです。これに匹敵するする様な、大陸の街の若き友人たちの、とろけてしまいそうな愛心を想っています。炬燵に入りながら、炬燵の上には、「みかん」がのっています。私たちを迎えるために、そうしておいてくださいました。
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