今宵は、「十五夜」 、縄文の昔から、日本人は想像をたくましく、秋の満月を見上げて、その神秘さに感動してきているようです。「若い方たちが鍋を囲んで、食事をしますので、お出でになりませんか!」と誘われた私たちは、バスに乗って出かけ、先ほど家に帰り着いたところです。帰り道に空を見上げたのですが、雲に邪魔をされていました。ところが、ベランダに出ましたら、「まあるいまあるいまん丸い月」を眺めることができました。
明治43(1910年)年七月、文部省が編集した最初の唱歌集『尋常小学読本唱歌』に発表されたのが、「月」でした。小学一年生の歌唱教材として、教科書に掲載されていたのは昭和27年から平成3年までの間でした。私の父が、この明治43年の三月に生まれています。
1
出た出た 月が
丸い丸い まん丸い
盆のような 月が
2
隠れた 雲に
黒い黒い まっ黒い
墨のような 雲に
3
また出た 月が
丸い丸い まん丸い
盆のような 月が
歌謡曲に、「月が とっても青いから 遠回りして帰ろう・・・」という歌があって、よく口づさんだことがありますが、我が家のベランダから見上げた月は、本当にほのかに青い光を放っているのです。想像をたくましくして、月の中に、うさぎが餅搗きをしていると感じたのは、縄文人だったのでしょうか。
中国のみなさんは、今日を「中秋節」と呼び、国民の休日になっています。そして「月餅」を送りあって、月を愛でながら食べる習慣をお持ちなのです。我が家にも、四軒の家から「月餅」を、都合五箱ももらって、「月餅」だらけと言った感じがしております。爆竹が鳴り轟き、花火が打ち上げられ、学校も官庁も休みですから、リラックスして、この日を祝っているようです。故郷に帰らなかった若者たちと、鍋をつつき、水餃子など十種類以上の料理、そして果物やジュースを一緒に食べて飲んで、楽しい交わりの夕べでした。彼らの上に祝福を願った「中秋の宵」でした。
(写真は、「msnニュース」から富士山にかかる真珠のような「中秋の名月」です)