音と声

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毎朝、まだ夜が明けないうちから、聞こえてくる音が、三つあります。一つは、道路を清掃する人たちの日常談義です。二つは、小鳥の鳴き声です。最後は、『コケコッコー!』のニワトリの夜明けを告げる鳴き声です。これが一番の大声なのです。二羽どころではないようです。ここはアパートが林立する住宅区域で、農家などは周りに一軒も見あたりません。ですから農家の庭先の鶏小屋からではなく、アパートの道路に面した一階の店舗のシャッターの中から、漏れ聞こえてくるのです。

このニワトリは、卵用ではなく、食肉用なのです。日本では、何処かで処理されて店頭で売られる鳥肉なのですが、こちらでは、店頭で処理されて即売されています。鴨やアヒルや鳩も、籠の中でひしめいているのです。例外なく、何処かで処分されるのですが。目の前でされているものを、買って帰る心備えができていない私たちは、店頭で買うことができないままでいます。気持ちの問題なのでしょうけど。

道路を挟んだ右の方にある店舗の中からですから、結構至近距離から聞こえるてきます。いつもしている「耳栓」を越えてやってくるのです。日毎に車の台数がましていて、バス通りを走る数も激増してるからでしょうか、車のエンジン音とタイヤの音が強くなってきているのです。それに、道路上で店開きをしている屋台や、階下の食堂で、声高に興じている音も声も、以前に比べて強くなってきている、そんなこの頃なのです。よく「中国版ジャンケン」が、徐々に興奮して、喚(わめ)くようになってきます。週末が酣(たけなわ)です。

午前零時過ぎになっても遠慮なくしていますので、防衛、いえ防音対策としての「耳栓」は欠かせないのです。日本人も中国の皆さんも、骨格も体格も全く変わらないし、声帯も変わらないのですが、話し声の高さが違います。日本人は、相手との距離と周りを気にしながら、口先で話します。ところが、こちらのみなさんは、腹式でしょうか、お腹の底から声を出すのですから、強烈です。狭い日本と広い中国で、人と人との距離が違うからでしょうか。

バスで、隣に座っているおばさんが、携帯に向かって、百メートルも向こうにいる人にでもある様に、お腹から話していることがよくあります。『あんなに大声を出したら、スッキリするだろうな!』と思うのですが、どうしても真似できないジレンマで、いつも小声と「耳栓」の家内と私であります。

(写真は、太陽が昇り始める「夜明け」です)

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