「日本の大震災で中国国民が学んだこと」


  大惨事となった東日本大震災たは、 四川大地震を経験した中国人にとって他人事ではない。「他人の不幸を喜ぶ」ことや「全くの無関心」はもってのほかで、同じ人類という名のもとに、日本の幸 せを祈り、日本を応援することが、今の中国人の共通した心情だ。言葉の上だけにとどまらない人道主義こそ、大災害を目の当たりにした人類の共通意識となっ ている。今こそ、あらゆる紛争や敵対意識は一切投げ捨て、血の通う人間同士、人類にもたらされた災難にともに立ち向かう時だ。「中国青年報」が報じた。

  中国国内メディアが報じる大震災報道で、印象的な2つのことがあった。まず、混乱の中にあっても決して取り乱すことのない日本人の秩序正しさは、賞賛に値 する。次に、日本のマスコミ界や社会各界による被災者救済に対する前向きな態度も素晴らしい。中国には、「多難興邦(国家多難の際こそ国家を興隆させ よ)」という言葉がある。特に重要なことは、高校教育までに災害に関する知識を増やし、多くの経験を積むことだ。マスコミが発達した今日では、自国で災難 が起きて初めて国を興隆させるのではなく、他国で起きた災難からも学ぶことが、不可欠な重要課題であろう。

 中国国内メディアは、日本 の震災報道に眼を光らせ、国民に伝えている。これは、決して「外国賞賛」ではなく、日本を美化している訳でもなく、日本の災害が、中国人の災害教育の絶好 のチャンスであるとの見解によるものだ。「三人行必有我師(三人が何かをすれば、その中に必ず自分の師とすべき人がいる)」、学ぶことに長けているのは、 中国民族の伝統の美徳である。大震災に見舞われた後、国民からメディアまで、企業から社会団体までの日本人の振る舞いは、中国人に多くの学びと感動をもた らした。

 たとえば、国民の秩序正しさがある。このような特殊な状況下 であっても、日本人は列を作って並んでいる。公衆電話をかけるにもきちんと並び、ひとりひとりが自覚して節電に努めている。何百人が身を寄せている避難場 所では、誰一人喫煙する人はいない。人々が集まったあとには、ごみひとつ落ちていない。誰もが互いに助け合い、暴力団体もその中に入り、混乱にまぎれて悪 事を働くどころか、事務所を避難場所として開放し、被災者に食事や宿泊場所を提供している。商業界も続々と支援行動をスタート、無料電話や携帯電話電池・ 充電を無料で提供している。日本人の災難を前にした比類のない団結が随所に現れ、日本人に施された災害教育の効果の高さが見て取れる。

  メディアの節度ある態度もしかりだ。犠牲者の悲惨な場面や泣き叫ぶ被災者を報道する者はおらず、感情をむき出しにした節度のない取材をする記者もいない。 恐怖を拡散するような報道はなく、ただ被災状況の正しい情報と実用的な情報をタイムリーに伝えている。そこには、災害を前にしたメディアの本当の責任と専 門性があるだけだ。救援作業への影響を考え、救援隊に対する取材は一層行われていない。被災者の家族への取材も、彼らの胸中を配慮して行われていない。こ れまでに見慣れた地震報道と比べると、天と地ほどの差がある。

 災害に見舞われると、民族の真実の姿が映し出され、我々もそれを理解する ことができる。日本の大震災で我々が感動した各場面は、中国人の国民教育の絶好の素材となり得る。自然災害を前にして、人類がちっぽけな存在であり続け、 災難からは永遠に逃れられないとすれば、今回の大震災から、我々中国人は貴重な教訓を得ることができたのだ。もし明日災難が訪れても、我々は今までより ずっと落ち着いた態度で対応することができるに違いない。(編集KM) 「人民網日本語版」2011年3月17

(写真は、大震災のために救援に駆けつけてくださった「中国救援隊」です)