『チョコレート!』、なんと響きのよい言葉でしょうか。『森永ミルクチョコレート!』、『明治ミルクチョコレート!』、『ロッテガーナチョコレート!』と聞いただけで、唾液腺の働きが猛烈に活発になってしまいます。見たら、もう他のものへの関心は全くなくなってしまうのです。それこそ食べたら、『ここは天国かしら!』と至福の時になってしまいます。こんなおいしいお菓子が、ほかにあるでしょうか。だれが作ったのでしょうか。ノーベル賞や文化勲章を、ぜひ受賞していただきたいものです。歴史を調べてみますと、どうもアメリカの原住民が食用にしていたのを、アメリカ大陸の発見者のコロンブス一行がヨーロッパのスペインに持ち帰って作ったのだそうです。大衆化していくのは、カトリックの修道士たちの手によったとのことです。日本に渡来した記録は、18世紀に、長崎の遊女が、オランダ人にもらった記録が残されています。日本初の製造販売は、風月堂によりますが、大量に製造販売をしていったのが、1918年に、森永製菓によってでした。
最初に食べた日のことは、はっきりと覚えていませんが、小学校の頃、立川の国立病院に診察に行ったときに、駅のそばの店で、ガムやピーナッツや干しぶどうなどと一緒に、母に買ってもらったのを覚えています。こんな好物のチョコレートですが、私の愛読しているブログに、こんなことが紹介されていました。
「チョコレートの原料のカカオ豆は、高温多湿の熱帯西アフリカの「マリ共和国」が、一つの主産地です。この国の10~14才くらいまでの多くの子どもたち(男女)が誘拐されて、多くが行方不明になっているとの情報が以前からあり、一説には、2万人もが消息不明で、どうも「カカオ農場」で、現在も働かされているようです。〈中略〉マリの田舎でおばあさんが、子どもたちに、『働けばお金がもらえる仕事があるよ!』と優しい声をかけて誘い出し、隣の国コートジボワール(象牙海岸共和国)の国境の町までバスで移動させ、そこで他の人に渡し(子供奴隷の誘拐組織は、子供1人につき230ユーロ・27000円で取引されています)、バスやオートバイでカカオ農園に子どもたちが運ばれている事がわかった。子どもたちは数人づつカカオ農園に分配され、毎日毎日休みもなく子供の手には大きすぎる程のカカオを粗末な大きなナイフで切り落として、集める仕事が待っていた。働いて何時まで待ってもお金は全然貰えないので、また空腹のあまり食事やお金の支払いを請求すると、殴られたり罵声を浴びさせられたり暴行を受けている。ボロボロの汚れたシャツをまとい、明らかに栄養失調の痩せた暗い顔をした子どもが何人か見られたが、とにかく酷い扱い方である。〈攻略〉」とです。
甘味なチョコレートには、このようないたいけのない子どもたちの苦く辛く酷い労働があることを知って、ただ戸惑っている昨今であります。多くの子どもたちが、秘密裏に重労働に強制的に従事させられ、賃金も支払われないような、まさに「奴隷」のように働かされているのですね。この事実を知ったマスコミが、大手のロックフェラーが経営する穀物商社カーギル・ネッスル社の経営者に詰問しても答えず、無視したのだそうです。独裁国家の独裁者が問題とされている昨今、このような前近代的な労働搾取が行われ、誘拐事件や人質といった問題を、無視しながら会社経営をしている実態も、どうしても看過できないものです。今後、チョコレートは美味しいのに変わりがありませんが、苦味を覚えながら、マリの子どもたちが親元に帰るか、正統な賃金で働くことができるように願う時としようと決心しております。
《児童の商業的性的搾取に反対する世界会議「宣言」》 http://homepage3.nifty.com/naga-humanrights/shiryo1/child-sakusyu1.htm
をお読みいただきたいと願っています。
(写真上は、http://mikado.gunmablog.net/d2009-01.html所収の「チョコレート」、写真中は、I AM BLOGGING NOW所収の「マリ共和国の子どもたち」、写真下は、「マリ共和国地図」です)