戸惑い

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「戸惑う」、「混乱する」、「慌てる」、「キョトンとする」、「驚く」、いくつかの動詞を取り上げてみたのですが、これは、日本を始めて旅行された中国人旅行者が、旅先での日本、日本人、日本の習慣などに対しての「思い」や「印象」や「感想」なのです。『こんなはずではないのに!』と言った意外性を表しているのです。

かつての日本と日本人による「侵略」、「屠殺(”虐殺”をそう表現しています)」、「生体実験」、「凌辱」、「焼き打ち」などを、聞き、学び、調べて、<日本鬼子ribenguizi>だと思っているみなさんが、現代の日本と日本人に接して、驚きの声をあげておられるのです。東京や横浜や大阪や京都などで見たり、聞いたり、接したりしている「親切さ」、「穏やかさ」、「礼儀正しさ」、「静けさ」、「清潔感」、さらには、買い求めて使っている「精密な日本製品」などが、日本と日本人について聞いて学んだことと脈略がないことに、「キョトン」とされているのです。

日本と日本人の実際の様子が、中国のみなさんを戸惑わせているわけです。『あんなに酷いことをした日本と日本人が、今ではこれほど違っている!』、『本当の日本と日本人は、どれなのか?』と思っておいでなのです。こんな話を読みました。ある店で、欲しい電気製品を探したのですが、在庫がなかったのです。困っていたら、近所の店にあると言って、地図まで書いて教えてくれたのだそうです。そんな親切に驚いたりしているのです。

そういえば、私の勤めています学校に、2013年度の前学期まで、年配の日本人教師が、私を含めて三人いました。一緒に五年ほど教えたでしょうか。この日本語教師への、各学年の学生さんたちの印象は、おしなべて良好のです。時間励行、礼儀正しさ、真剣な教授態度、周到な準備などを感じて、実に高評価なのです。学校教育で教えられ、テレビや映画で見てきた<日本人像>と違った三人に接して、彼らも<戸惑い>を覚えていたのです。

『名もない老境の日本人教師が、一所懸命に教えてくれている!』と、感じていてくれるのは、広い中国の多くの日本語学科を持つ学校のある街でも同じなのでしょう。杭州や南京や厦門や長春やハルピンで教えていた教師たちを知っていますが、みなさんお金のためでも名誉のためでもなく、<中日有効>にため、中国の若者が、より好い日本と日本人理解を持って欲しくて、励んでおられるのです。『そんな好い教材があるのですね、ダビングして送ってもらえますか!』と頼まれた南京の看護学校の教師に船で会いました。

民間人や日本語専攻の学生のみなさんの<日本観>、<日本人観>は、すこぶる好いのです。私たちと友人でいてくださる、多くのみなさんは、偏見や過去の経緯(いきさつ)なしの、真心で接していてくれる<好朋友>であります。この人たちには、もう戸惑いも混乱もありません。

(衛星写真は、中国や韓国から見た日本列島です➡︎WMより)

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