それは非常によかった

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 『神は仰せられた。「見よ。わたしは、全地の上にあって、種を持つすべての草と、種を持って実を結ぶすべての木をあなたがたに与える。それがあなたがたの食物となる。 また、地のすべての獣、空のすべての鳥、地をはうすべてのもので、いのちの息のあるもののために、食物として、すべての緑の草を与える。」そのようになった。 神はお造りになったすべてのものを見られた。見よ。それは非常に良かった。夕があり、朝があった。第六日。(創世記12931節)』

 週初めに家内が、ペルー産の何やらが体にいいと言っていました。〈いい物〉は数限りなくあります。なぜなら、神がお作りくださった物だからです。その地域に見合った植生があり、そこから採れる食物を、様々に調理して、人は食べつないで、それぞれに生きてきたのが私たちです。古来、わが国では、米に菜葉の味噌汁、野菜の煮しめ、漬物、納豆などが主要な食べ物でした。どこにでも発酵食品があって、それが健康維持に大切な役割を果たしてきています。

 ところが流通の拡大で、ペルー産、ハワイ産、アルゼンチン産、トルコ原産、カスピ海で作られたヨーグルトなど、世界中の食べ物が、船に積まれてやってきました。肝臓に良い、アルツハイマーに良い、高血圧症に良いなど、様々の健康食品が、宣伝され、売られ、心動かされて買わされています。

 病む前は、与えられる物を、感謝して食べて生きていたのに、病んでから、母を思う子どもたちや、友を気遣う友人たちが、『これって良いそうですから食べてください!』と持参したり、買う様に促してくれる様になりました。息子にスマホを買ってもらってから、家内は情報過多になり、「ペルー産」の何かを見つけてしまったわけです。

 それで、私は、「秦の始皇帝」が、不老不死の妙薬を探させるために、徐福を遣わした話をしたのです。日本に来た徐福は、始皇帝の元に帰らずに、日本に住み続けたのだそうです。そんな妙薬などなかったし、たくさんの資金を手にしていたからです。始皇帝は、長生きをしたかったのですが、部下に裏切られ、その薬を飲むことなく、五十になる前に死んでしまいます。その薬を飲まなかったからではなく、寿命で死んだのです。と言うよりは、不死不老の薬だとされる水銀の入った物を飲んでも中毒死だったと言う一説もあります。

 人は、その地その地が産する物で、「地産地消」が、神さまの理にかなったことであるわけです。季節によって違う産物を収穫し、貯蔵して、みんな生きてきたわけです。みんな欲で動いています。何年も前に、アロエがブームになっていたことがました。そんなブームは商人が作るのです。次々にブームが大波小波で押し寄せてきています。それをかぶっていたら、破産です。

 ペルー産の物がいいのは分かりますが、輸入ストップになったら、食べ続けられない物です。この国にだっていい物がたくさんあります。外国から輸入するのは、結局は〈金儲け〉なのです。それで生き、儲けている人の投げた捕獲網なのです。珍品にめざとい人に売って金儲けをするために、世界中を訪ねて探して、大宣伝をかけて売るのです。

 その宣伝文句に、家内の様に、誘いに動かされる夥しい人は、「カモ」なのです。家内は、maniac にはなっていないからご安心ください。それぞれの収入、生活レベル、身分に応じて得られる物で生きるが一番だ、そう言うことを家内に話したのです。健康を損なって、心動かされる様になってしまった家内に、ストップをかけたわけです。

 あまりにも情報が多く、過多、過多、過多と音がしています。いいものは僅かです。本物も少量です。造物主の神さまは、全てご存じで、最善を備えていてくださるお方なのです。「確かな情報」にだけ応答していきたいものです。人の動機を見抜くことです。そして、身の回りにあるものに、『いのちの息のあるもののために(創1:30)』お作りくださったものは、『それは非常によかった(創1:31)』のです。だから感謝することです。もちろん注意深く生きるのが好いのです。

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