オフサイド


.

  “ off side ” と言うルールが、サッカーにあります。私は、ハンドボールの11人制の最後の時期に、高校でしていましたが、このハンドボールにも、このオフサイドがありました。ただそれは、サッカーのものとは違っていたのです。(ラグビーにもこのルールはあります)

 サッカーと同じ大きさのフィールドで、左右両陣に、35mラインがあって、バックスとフォワードで攻守分業で、バックス6人対フォワード6人、ゴールキーパーで7人なのです。攻撃時にバックスが一人、守備時にフォワードが一人だけ参加できる人数です。それで対戦するのです。

 冬季のハンドボールは、7人制で、体育館で、バスケットボールほどのコートでしたのですが、それで、結局は、7人制に移行したわけです。元々、ドイツが、強い兵士を産むための母体、母胎の強化のために考え出された競技だったと言われています。

 オフサイドラインと言うのは、ボールの位置を通る、または守備側の後方から2人目の選手を通る、ゴールラインに平行な、線引きされていないラインで、線審(副審)が決めます。 ですから後方から2人目の選手が動けば、オフサイドラインの位置も変わります。 ボールが守備側の後方から2人目の選手よりも前方にある場合、ボールの位置がオフサイドラインです。

 オフサイドは、攻撃側チームの競技者が得点をするために守備側チームのフィールド内で待ち伏せすることを防ぐために定められたルールで、オフサイドポジションにいる味方にパスを出す、あるいはオフサイドポジションにいる味方プレーヤーが相手を邪魔したり、ボールに関与すると反則となり、相手チームに間接フリーキックが与えられることになります。

 「先駆けの功名」とか「抜け駆けの功名」という言葉があります。相手の前に、しゃしゃり出て、チャンスを掴もうとすることを、そう言います。このラインは、そうしようとする攻撃選手を規制するわけです。このオフサイドでシュートを打っても、得点のゴールにはならないのです。人生の場面にも、よくありそうです。

.
.

 それは、実に公正なルールです。欺くことができません。線審(line’s man)が、その位置を見張っていて、オフサイドになると、黄色の旗を挙げるのです。

 政治の世界で暴走する人がいます。企業人にも教育者にも、牧師さんにも、暴走する人がいるのです。社会の常識というライン、倫理上のラインを侵すと、厳しい制裁が課されます。デッドラインになって、政治活動も、企業経営も、教育も牧会もできなくなって、その世界を追われてしまいます。

 若い頃に、何度も、留意すべきことを、先輩の何人もの教役者に、くどい程に教えられました。つまり、超えてはいけないオフサイドラインを引かれたのです。線審が旗を上げると、プレイはストップされます。サッカーでは、そのオフサイド地点から再開されますが、お金や名誉や異性で問題を起こしても、そんな牧師さんたちは、なかなか自分のポジションから退かないで、個人プレイを継続していました。

 それは倫理上の問題だからです。露見しても認めないのです。裁判沙汰になった事例もありました。法で裁かれたら、もう牧師生命は終了です。ですから、あるグループでは、噂に上がった段階で、フラッグが挙げられるのです。

 あんなにモデルのような教会形成をしてきた牧会者、若い教役者が憧れの的のようにして、視線を向けたれていた方が、ラインを侵してしまって、惨めなその後を送っているという話も漏れ聞きます。サッカーの試合で、素晴らしいゴールをした選手の活躍ぶりを観ても、線審のフラッグが挙がったら、どんな巧みなプレイも無効になるのが、このサッカーの大好きな場面なのです。実況中継のカメラは、そのフラッグの挙がった場面を、もっとクローズアップして写し続けてほしいなと思うことしばしばです。

 それって反則なのです。人生上の反則には、侵さないように注意して生きてきました。誘惑は、もちろん魅惑的な相手、輝く札束、名誉ある機会などがあって、まず心の内から始まるからです。どんなに力ある説教をしても、多くの人を集めても、大きく美麗な会堂を建てても、多彩なプログラムを持っても、ラインを越したらアウトです。

 それよりもアルバイトをしながら、一人の奥さんを愛し、子育てをしっかりして、主の激励で伝道牧会をする方が、はるかにまさって尊いのです。そういったみなさんが、この日本を、いえ世界を変えていてくださるのです。

 サッカーでは、全プレイは公開です。レフリーや観衆がジャッジしながら観戦しているのです。倫理上の問題は隠されていて、なかなか表に出てきません。言い訳をしていた方がいたのを思い出します。いつの間にか、目の前から消えてしまった方もおいでです。

 日本の「なでしこジャパン」のメンバーや、その予備軍の選手で、今や国際舞台で活躍する、長谷川唯や藤野あおばや眞城美春などのプレーを観ていると、素敵な球さばきやゴールは素晴らしいのですが、いつも私が気にしているのは、オフサイドなのです。ちょっとへそまがり観戦者なのが、わが特徴です。一昨日、家内が長谷川唯のプレイを、youtube で、感心して観戦していたのです。そんなことなかったのに驚いた台風襲来下のわが家でした

 今日から、9月です。秋の夜長が待ち遠しい「長月(ながつき)」です。ゆでた栗やさつまいもの美味しい季節ですし、芸術の秋ですし、旅行もしたくなる秋です。暑さを吹き飛ばして、涼しい秋になって欲しい朔日です。主に感謝の旗を掲げたい気分でおります。

(ウイキペディアによる線審、サッカーボールです)

.