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神よ聞いてほしい。 自分はこれまで一度も、あなたと語らったことはなかった。 でも今日、僕はあなたに語りかけたいと思う。 知っての通り、子どもの時から「神など存在しない」と言 われ続けて、僕は大きくなりました。
そして、愚かにもそ れをまともに信じてきたのです。 これまで、あなたの造った被造物に目を注いだことはありませんでした。 でも今晩、手榴弾沿いにある塹壕の中から、僕は天を見上げてみました。
頭上に光る星空。僕はそのまばゆさに驚いた。 そして、その時ーーきわめて突如としてーー、僕は分かっ たのです。 一つの嘘が、どれほど残酷なものになりえるかって。 自分にはわからない。
でも神よ、あなたは僕に御手をのばしてくれますか。 こんな地獄の真ん中で、僕があなたを知るに至ったということ。 そして、その光を見たということ。 これは実に驚くべきことではないでしょうか。
それが僕の打ち明けたかったことです。 それからあともう一つ。 あなたを知ることができて、僕はうれしかった。 今晩、僕たちの部隊は戦線に出ます。
でも今ふしぎに、怖くないのです。 あなたが僕たちを見ておられるのだと思います。 あ、指令が来ました。もう行かなくては。 あなたと話せて本当によかった。
知っての通り、戦火は激しくなる一方で、それで、もしかしたら、今晩にも僕は、あなたの戸をノッ クすることになるかもしれません。
これまで一度も私はあなたを友としてきませんでした。 それでも、僕を受け入れてくれますか。 今、僕は泣いています。 おお、わが神よ。 そして僕の目はあなたの光を見ています。 さようなら。
もう行かなくては、、、そして、僕はもう二 度と、、戻ってこないでしょう。 でも不思議です。 今、僕の中で、死に対する恐怖がまったくないのです。
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これは、第二次世界大戦中、対ドイツ戦で戦死した、ひとりのロシア人兵士のポケットから見つけ出された一編の詩です。今、戦時下にあるウクライナにも、ロシア兵もウクライナ兵が戦いの前線に立っています。しかもその多くは若者に違いありませんが、彼らは軍命に従い、或いは意を決して従軍して、銃器を手にし、戦車を操縦し、戦っているのです。
戦没学徒の手記を読んだことがあります。戦死した若い予科練の兵士たちの遺書です。祖国の父や母や兄弟姉妹、恋人たちを守ろうと、戦地に赴いた若き兵士たち、そればかりではなく、妻や子を祖国に残して、大陸や南方の戦線で戦って、戦死した兵士たちがいました。
数限りない魂の叫びが、この地球上には、谹(こだま)しているのではないでしょうか。専守防衛の戦いも、侵略の攻撃も、どんな大義名分があっても、過程も結果も、死と破壊です。このロシア兵の亡くなられた年齢の時節を、私も過ぎて、平和な年月を経て、今日があります。神から賜ったいのちが、こういった形で失われることを悲しむ、” golden week 2022 “ であります。
(戦士が防弾にために被る helmet です)
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