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「健康保険制度」の話です。高齢者や低所得者の治療や入院などに、大きな助けになっていますが、家内も私も、お陰さまで、その恩恵に預かって、医療費の自己負担は、低く抑えられているのです。
実は、夏頃から、私は歯の治療で、地元の歯科医院に罹っていました。本来なら、日本橋にある掛かり付けの歯科医に診てもらいたいのですが、コロナ禍の影響で、東京に出掛けるのを避けているから、地元で探したのです。最初の歯科医は、『痛いったって、痛いのは当然だから、仕方がないでしょう!』と、怒った口調で、診察台にいる五十代のご婦人の患者さんに言っていました。痛いから来たのに、それはないのです。一瞬、受付嬢が、『又かっ!』と言う顔で振り返り、歯科衛生士さんと目配せをしていました。
自分も、神経をとったけど、スッキリせずに、主治医の終わりのチェックもなく、衛生士任せで終わってしまいました。それで、スッキリしないので、次の治療の予約を取らずに、別の歯科医に行くことにしたのです。そこは家内の掛かり付けで、丁寧に診てくれ、前の方との会話はなかったのに、この医師とわたしの間に会話、説明ありました。大先生が、最終チェックをし、『半年後にまた来てください!』で終えました。それは十分に安心でした。
治療費も、前の歯科医は倍額以上で、後の方の歯科医院は納得がいく額でした。倍も払って、患者さんを叱る声を聞き、無会話でと言うのは、どう言った基準で診療がされ、治療費が決まるのでしょうか。日本橋の歯科医は、400円程度なのに、三倍くらいになるでしょうか。何が違うのでしょうか。
家内は、この2年、大病院で治療を続けていて、月一回の治療費総額は、510000〜540000円です。その他に薬代があります。後期高齢者で、高額医療費の援助があって、毎回一万円弱ですみますが、点滴薬って、そんなに高いのでしょうか。どんな高価な薬剤が使われ、薬価が決められているのでしょうか。患者に分かる様に透明化できないのでしょうか。製薬会社は、どう収支を算出してるのでしょうか。
薬価って適正価格があるのでしょうか、随意、製薬会社が自在に決めているのでしょうか。この地上にある物質を化学的に研究をして薬を作るのですが、どんな基準で薬価が決まるのでしょうか。医療保険制度が財政的に逼迫しているのは、医者と薬品会社の儲け主義があるのではないかなって思うのです。江戸の世で、次の様に言ったそうです。
『魚三層倍、呉服五層倍、花八層倍、薬九層倍、百姓百層倍、坊主丸儲け、按摩掴み取り!』とです。この「九層倍(くそうばい)」こそが、医療保険制度を維持不全にしていくのではないでしょう。昨年来、家内の内科の入院治療、歯科や眼科などの治療、私の歯科治療で、治療費負担を考え直して、気付いたのです。
自己負担額を増やそうとする以前に、薬価を抑える政策が取れないのでしょうか。そんなに〈ヤッカイ〉なことではなさそうです。厚生労働省は、病院や医師会、製薬会社を収め切れていないのではないかと思ってしまう、師走の寒さの中で思ってしまいます。
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