『もう、そちらは暖かくなってきたことと思いますが・・・』という便りを、先週受け取りました。ところが、ここ華南の街で、この季節、ほとんどの人が、まだ冬用の厚手の「大衣(dayi)」、コートを身に着けて街中を歩いています。『いつものこの時期と、ちょっと違うよね!』と言っていたら、『こんなことないんですよ、やっぱり異常です!』と、こちらの方が、言っておられるのです。ニュースによると、アメリカも異常気象だそうですし、日本でも例年になく大雪が降ったりで、寒波の襲来も度々あったようです。帰国中は東京にいましたし、屋内にばかりいたような気がしていますので、日本海側の様子は間接的にしか分かりませんでしたが。やはり『おかしい!』と思うのです、気候がです。
太陽が雲隠れしてるのでしょうか、日照時間を合計しても、ほんのわずかだと思われます。そのかわり、曇天で、ときどき小雨が降る日が続き、ある晩は雷鳴が轟き、豪雨もありました。台所側のベランダから、となりのアパートが見えるのですが、満艦飾の洗濯物がベランダに干されてあって、『乾かないなあ!』という、洗濯物たちの声が聞こえてくるようです。わが家も同様ですが。
今朝、なんとなく外が明るく感じたので、カーテンを開けましたら、その明るさは、私の願いだったようで、矢張、いつものような曇天でした。公園の樹木は、雨の多いのを喜び、「辛夷(こぶし)の花」も咲き始めているのですが。まだまだ、シベリヤの奥から吹いてくる風は、冷たく感じるのです。2003年だったでしょうか、『いい歌だなあ!』と思って、森山直太朗 が歌った、「さくら(作詞作曲も直太朗)」を聴きました。
僕らはきっと待ってる 君とまた会える日々を
さくら並木の道の上で 手を振り叫ぶよ
どんなに苦しい時も 君は笑っているから
挫けそうになりかけても 頑張れる気がしたよ
霞みゆく景色の中に あの日の唄が聴こえる
さくら さくら 今、咲き誇る 刹那に散りゆく運命と知って
さらば友よ 旅立ちの刻 変わらないその想いを 今
今なら言えるだろうか 偽りのない言葉
輝ける君の未来を願う 本当の言葉
移りゆく街はまるで 僕らを急かすように
さくら さくら ただ舞い落ちる いつか生まれ変わる瞬間を信じ
泣くな友よ 今惜別の時 飾らないあの笑顔で さあ
さくら さくら いざ舞い上がれ 永遠にさんざめく光を浴びて
さらば友よ またこの場所で会おう さくら舞い散る道の
さくら舞い散る道の上で
さすが、お母さん子で、歌唱の表現力も上手だと思いました。学び舎を後に、巣立っていく若者たちへの「激励歌」で、「平成の名曲」です。何よりも、こちらの公共バスの中で、この曲が流れてきたときは、ほんとうに嬉しかったのです。桜の木は、こちらではほとんど見かけないのですが、かつて観た桜の満開の風景を彷彿とさせてくれたのです。記憶に残る映像が、こんなに鮮明だということを知って、目の前で、桜が〈パッ!〉と咲いたように感じたのです。
これって、今の心境です。『早く、暖かな春がやってきてほしい!』と願ってやまないのです。去年の板橋・小豆沢公園の満開の桜は、実にみごとでした。家人の術後に診察に行った日に、アイスクリームを食べながら、桜を見ましたが、やはり、『はやく来い!』の今です。
(写真は、2011年の春、板橋/小豆沢公園の「満開の桜」です)