引越ししたのが、7月の30日ですから、もうほぼ2ヶ月が経過します。大家さんの好意で住み心地が素晴らしい家(前よりちょっと騒々しいのが玉に瑕ですが)で生活することができて、大変感謝しています。つい先日までは、ちょっと動くだけで、玉のような汗がひたたり落ちていたのに、この数日、めっきり涼しくなり、いえちょっと寒い感じもしますが、どうも短い秋の到来のようです。
ところが、「秋が来た!」に、いつも騙されるのです。日本では、9月の声を聞きますと、秋のニオイも音も味もしてきて、すっかり秋そのものになるのですが、ここ中国の華南地方では違うのです。短い秋は、実際は、11月にならないとやってこないのです。秋になったと思うと、もう冬支度になっています。これからの時期は、日中は夏、陽が落ちると長袖を着なければならないような秋、気温の日較差の大きい日が続くのです。この変化にやっと慣れてきたところです。油断して薄着で出かけて、帰りに震えるようにしていたことがこれまでありましたから。
引越しをする数日前に、買はなればよかったのですが、必要以上の量の玉葱とジャガイモを買い込んでしまいました。その日まで、台所に転がっていたので、急いで袋に入れてダンボールの中に放り込んだのです。ところが、越してきて、荷解きをしている時、真っ先に出さなければいけなかったのが、この玉葱とジャガイモでした。急いで、箱の中に突っ込んでしまったので、探せど出てこなかったのです。この数日の寒さで、昨晩は窓を閉めたのです。今朝、隣室に行ってみると、玉葱の悪くなりかけの臭がしてくるではありませんか。収納の中を探して探しました。なんと「孫へのプレゼント」と書かれた箱の中に、「スペイン産コーヒー豆」と印字された袋に混入しているではありませんか。コーヒーとばかり思っていて、そのままにしていたのですが、さしもの玉葱とジャガイモも2ヶ月もじっとしていられなかったのでしょう、臭って「出して!」と叫んだのです。ちなみに、こちらの玉葱は、「レッドオニオン」なのです。日本では普通の玉ねぎの倍も値がしますが、こちらでは、全く逆で、日本の普通の玉ねぎを見つけるのは大変難しいのです。面白いですね。
このようにして、無くなっていたのが見つかった記念に、玉葱とじゃがいもで、今晩、男の定番、カレーをこしらえました。結構美味しく食べられそうです。どうも秋の気配がしてきたおかげですね。きっと芽を伸ばして、収納の隙間から出てくるだろうと思って待っていましたが、意外な結末でした。そう云えば、玉葱とかじゃがいもというのは、保存が長く出来る食材なのですね。この間は、頂いた薩摩芋が芽を出して、きれいな緑の葉を付けていたりもしました。自然界の命は、ものすごい生命力ですね。この同じ生命力を、いえその数十倍もの力を私たちはいただいているのですから、生きられる限り、決して諦めてしまわないで、一生懸命に生きていきたいものです。よかった!