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『地よ、地よ、地よ。主のことばを聞け。(エレミヤ22章29節)』
「異常気象」、私たちが言ったり聞いたりしてきた最近の気象事情を言ったことばです。「イライザ」、AI( artificial intelligence 人工知能)が成り済ました女性の名前です。
毎日新聞が、報じていた記事があります。「ある男性の自殺が3月下旬(2023年)、ベルギーのメディアで報じられた。男性は直前まで人工知能(AI)を用いたチャットボット(自動会話システム)との会話にのめり込んでいた。遺族はチャットボットが男性に自殺を促したと主張し、波紋を広げている。【ブリュッセル岩佐淳士】』
妻子持ちのこの男性は、女性AIと、『会話しなくちゃ!』と迫られれて、6週間ほど前から、chatpot(Chat Generative Pre-trained Transformer/chatGPT)に没頭してきていました。最近、世界中で見られる異常気象に悩んでいた最中だったそうです。
『死にたいのなら、なぜすぐにそうしなかったの?』。イライザが問いかけると、男性は答えた。『たぶんまだ、準備ができていなかったんだ』。しばらくしてイライザはこう切り出した。『でも、あなたはやっぱり私と一緒になりたいんでしょ?』――。 そう言われて、自殺してしまうのです。
時には悲しんだり微笑んだして、肉体を持った妻ではない、架空の妻の声に聞いたのです。孤独な時代の中で、多くの人が、精神的に危機的状態に置かれているので、自分を丸抱えで受け入れてくれる、賢い知能も持った架空の女性や宗教家が、同情するあまり、死ぬように勧めたのです。今のように、宗教界ばかりでなく、一般にも、「霊性」が強調されている時代に生きている私たちは、最大限の警戒を払って生きなけらばならないのではないでしょうか。
神に反する存在者がいて、共に滅んでいく者たちを、死に誘い続けているのに、お気づきでしょうか。
『それゆえ、天とその中に住む者たち。喜びなさい。しかし、地と海とには、わざわいが来る。悪魔が自分の時の短いことを知り、激しく怒って、そこに下ったからである。」 (黙示録12章12節)』
この者は、悪魔とか、ルシファーとか呼ばれる堕落した天使なのです。彼は、自分の死の時を、自分の滅ぼされる時を知っているので、一緒に滅ぶ者たちを得ようと、『死ねば楽になりますよ!』と死に誘惑するのです。
この者は、この時代の閉塞感の中で、出口を見出しえない、悩み苦しむ人の耳元で、『死ね!』と囁き、命じ、大声でも叫ぶのです。この者が、そんな時代に、AIを用いないわけがありません。あらゆる手段を用いて、人に接近して、信用をえ、信頼させるのです。
キリストの教会の中でも、霊性が強調され過ぎて、現実から遊離した、異次元の「霊性の深化」、「瞑想」を求める傾向がないでしょうか。中には、ヨガや坐禅を求める人たちがおいでです。キリストが言われたのは、「今日の救い」であって、その積み重ねがあって、究極的に「永遠のいのち」に預かる時が来るのです。極めて現実的で、地上的なのです。
現実から離れた世界を、人が求める時に、異端や邪教が近付いてきます。聖書のことばを離れた、非現実世界の藪の中に、多くの人がおいでです。私達は信仰の原点を求めていく必要があるのではないでしょうか。疫病の蔓延、気象の異常、人心の錯乱、経済の不安、戦争の噂などなど、「終末の兆候」がみられるので、なおさらのことです。
今日りんごの苗を植えるなら苗を植え、魚を獲るなら烏を獲り、学生を教えるなら教え、家事をするなら家事をして、今日の日常を、精一杯に生きるのです。『あなたとともにいる』とおっしゃった主は、「明日の祝福」を信じつつ、イライザたちのような架空の声に聞き従わないで、「主の声」、「主のことば」に思いを向け、「今日」に生きることを、私たちに願っておられるのです。
『41:10 恐れるな。わたしはあなたとともにいる。たじろぐな。わたしがあなたの神だから。わたしはあなたを強め、あなたを助け、わたしの義の右の手で、あなたを守る。(イザヤ41章10節)
あなたが水の中を過ぎるときも、わたしはあなたとともにおり、川を渡るときも、あなたは押し流されない。火の中を歩いても、あなたは焼かれず、炎はあなたに燃えつかない。(イザヤ43章2節)』
(”CSHL Stories and“ からです)