喜び、そして寂しさが

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あれまつむしが ないている
チンチロチンチロ チンチロリン
あれすずむしも なきだして
リンリンリンリン リインリン
あきのよながを なきとおす
ああおもしろい むしのこえ

キリキリキリキリ こおろぎや
ガチャガチャガチャガチャ くつわむし
あとからうまおい おいついて
チョンチョンチョンチョン スイッチョン
あきのよながを なきとおす
ああおもしろい むしのこえ

 夜長の秋の到来でしょうか。窓から虫の声がこ越えて来て、さしもの暑さも遠のいていくのでしょうか。「辟易(へきえき)」と言うことばがありますが、今年の夏の暑さには、まさにこれだったでしょうか。〈語源由来辞典〉には、次のようにあります。

 『辟易は、中国の歴史書『史記』に出てくる表現に由来する。
「辟」は「避ける」、「易」は「かえる」の意で、「辟易」は「道を避けて場所をかえる」の意味であった。そこから、「相手を恐れて逃げ去る」の意味に転じた。日本でも辟易は「勢いに押されてたじろぐ」「逃げる」の意味で使われていたが、相手に対して何もできなくて困るところから、近世後期に、嫌気がさしてうんざりすることや、閉口することの意味で使われるようになった。』

 押されて、うんざりする暑さに、台風の襲来、世界各地での地震災害のニュースを聞き、何か尋常ではない動きが、地球を取り巻いているようです。そんな中、次女の家族が、わが家を訪ねてくれました。人気者の二人の孫たちに、会いに来てくれるみなさんを歓迎し、狭い家の話し声が、家の中にあふれて、錯綜し、賑やかでした。

 昨日の日曜日に、新学期の文具や、従姉妹や友人へのお土産をスーツケースに詰めて、東武から京成に乗り継いで、成田空港に迎えました。迎える喜びと、見送る寂しさは、いつものことです。ガランとした家を見まわし、耳を傾けても、家内と私だけで、声が遠のきました。そしたら、入れ替わるように、夜半に、「虫の声」が聞こえて来たのです。

 『主を恐れる人は、だれか。主はその人に選ぶべき道を教えられる。 その人のたましいは、しあわせの中に住み、その子孫は地を受け継ごう。(詩篇251213節)』

 両親から離れて、二人で始まった新しい家族が、14人に増えて、あちらこちらで暮らしているのです。でも、やって来ては肩や掌を揉んでくれる孫たちが、長男の息子も加えて、3人が一緒に、家内の体を取り囲んでいました。もう天にも上るように満面の笑みを湛えながら、彼らに身を任せていました。

 そんな賑やかだったのが、みんなそれぞれの場に帰って行き、また静かな空の巣に戻ったので、虫の音の高さが一層の秋の朝です。それでも、予報最高気温は、32℃と、weather news が知らせてくれています。さあ、寂しさを紛らわすために、今日は、布団を干して、シーツなどの洗濯の続きをしましょう!

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