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「文月(ふづき)」、七月になりました。今年は遅い入梅でしたが、夜半も雨が降り、5時過ぎも何か降り出しそうです。ベランダで、開花を待ち望んでいた桔梗(ききょう)の花が咲き始めています。
「桔梗の花咲くときぽんといひそうな」
加賀千代女が、桔梗の蕾が膨らんだ様子を見て、このように句を詠みましたが、『もう二、三日で咲き出しそう!』と思っていましてたら、『ポン!』と言う音は聞こえませんでしたが、今朝、二輪が綺麗に咲いています。
天の川を「銀漢」と呼ぶのですが、「七夕(たなばた)」の月でもあります。宋代で最高に詩人と評される、蘇軾(そしょく)の詩に、
暮雲収尽溢清寒(暮雲収まり尽きて清寒溢る)
銀漢無声転玉盤(銀漢声無く玉盤転ず)
此生此夜不長好(此の生此の夜長へに好からず)
明月明年何処看(明月明年何れの処にか看ん)
とあります。声なく天空に輝く天の川を、蘇軾が仰いで詠んだ「中秋月」です。宋の時代は、商業が繁栄した時だったと言われ、そんな時代に活躍した詩人の感性に驚き憧れてしまいます。
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