音楽の持っている力について

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 作曲が八洲秀章で、「あざみの歌」を、先月末、「まちなかmedical cafe  in 宇都宮」の10周年記念会で、会を始められた方の一人で、医師をされている方が、ハーモニカ演奏で、哀調に満ちたメロディーをお聞きしたのです。この歌を聞かれた病と闘い、死期の迫っていた方が、この歌を聞いて、元気付けられて、持ち直したのだそうです。歌ってそんな人を元気づける役割を持っているのですね

山には山の 愁(うれ)いあり
海には海の かなしみや
まして心の 花園に
咲きしあざみの 花ならば

高嶺(ね)の百合の それよりも
秘めたる夢を 一筋に
紅燃ゆる その姿0
あざみに深き わが想い

いとしき花よ 汝(な)はあざみ
心の花よ 汝(な)はあざみ
運命(さだめ)の道は 果てなくも
香れよせめて わが胸に
あゝ あゝ

 信州の下諏訪・霧ヶ峰八島高原に住み始めた横井弘が、アザミの花に自分の理想の女性像を重ねて、その恋心を詠んだ詩なのだそうです。戦争が終わって、兵役を解かれた1945年、作詞者が十八歳の時でした。

 このあざみの花は、綺麗なので手に取ると、棘に刺されたからでしょうか、「欺(あざむ)かれた)」ことからの命名なのだそうです。中国では、「大薊(daji)」と言って、中薬(中国漢方)で、止血などに用いられる薬草でもあるのです。

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Louis Gallait (Belgian, 1810-1887). ‘Power of Music,’ 19th century. oil on panel. Walters Art Museum (37.134): Acquired by William T. Walters, before 1878.

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 一般的には、「のあざみ(野薊)」で、日本列島の平地から高山に至るまで分布していて、空き地にでも、6〜9月の間に咲いている花です。100種以上があって、野の花として代表と言えそうです。信州の野山を山歩きをした時に咲いていたのが、印象的でしたが、子どもの頃に遊んでいた広場の隅にも咲いていたでしょうか。

 ガンと闘病中の方のベッドの脇で、童謡を歌って差し上げたことも、何年も何年も前にありました。私たちの教会に、養護学校に教師をなさっていて、音楽療法の必要を感じられて、専門的に学ばれて、修士になられた方がおいででした。私たちの属している老人会でも、公民館で「カラオケ」が開かれていて、家内と二人で、「もろびとこぞりて」、「きよしこの夜」を歌ったことがありました。

 悲しい時も、喜びの日にも、歌を聞いたり楽器演奏を聴くことは、激励や慰めになるので、人は古代から、歌い演奏し続け、聴いてきています。母が、結婚前に流行った歌を歌うのを聞いたことがありました。讃美歌しか歌わないのに、無理にお願いして、歌ってもらったのです。母の青春の日の歌謡だったのです。童謡も歌謡曲も演歌も、ラジオから、聞いて私は覚えました。

 満州の地で、開拓民のみなさんも、よく歌を歌ったそうです。この「あざみの歌」も戦後に人気のあった歌でした。それを、令和の代になって聴けたのは嬉しかったのです。うる覚えで覚えていて、吹かれたハーモニカの音色で思い出しました。

(ウイキペディアによるあざみのはな、ルイ・ガレ作の「妹に兄が聞かせる慰めのヴァイオリンの写真です)

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