天来の恵み


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私たちが、住んでいる「◯◯花园huayuan(集合住宅をそういった表現を使う様です)」の裏門から出て、大通りに出られるのですが、その右の角に、大きな一軒建てのレストランがあります。その建物の左側に、「SPA」という看板が出ている、「温泉施設」があります。実は、この地域には「温泉」があるのです。もっと凄いのは、我が家の浴室に、水道の蛇口とシャワーの蛇口の他に、もう1つの蛇口を見つけたのです。温泉水の蛇口だそうです。通常は、使用できないようになっていますが、この住宅の管理会社によると、別会社があって、契約すると、温泉の供給が受けられる様です。

前の家の浴室に置いて、時々使っていた、木製の風呂桶を運んで来て、この家の浴室に置いてあります。上の娘は、契約を勧めているのですが、まだ決断していないのです。前々回、一時帰国した時に、友人の会社の宿舎を定宿にさせてもらったのです。そこには内風呂があるのですが、日本橋人形町に「銭湯」を見つけて、時間がある時に入りに行きました。江戸っ子の銭湯なのでしょうか、お湯が熱かったのです。それで、入浴客は、サッと入って出てしまう、江戸流儀の入浴法をしていました。

一番風呂に入ろうと、その銭湯の扉が空開く前に行って待っていました。ほとんどの人は息子に店を譲った様な、年配の方たちでした。大声で話さないし、体にかけるお湯も隣にかからない様に注意深くしている、そんな《江戸情緒》に触れて、流石(さすが)と感心させられたのです。

"1010"、この数字を、どう読まれますか。"せんとう(千十)」"だそうで、十月十日は、「銭湯の日」だった様です。また多摩丘陵に、温泉入浴施設があって、弟に連れて行ってもらって、何度か利用しました。『日本に帰ったら温泉に!』と思って帰国するのですが、引っ越した家で温泉に入れたら好いですね。ずっと働き続けて来て、この歳になって、それでも、こちらで仕事の機会があるのですが、何か「天来の恵み」の様に、この我が家の浴室の《温泉水コック》が感じられます。

体も心も温泉気分に浸りたい季節になって来ています。血行をよくして、体を温めて健康管理をするなら、決まって出てくる季節代わりの「腰痛」にも好いかも知れませんね。今朝、宿泊先の弟の家を出て、バス停に歩いて行く道筋の銀杏が、実を落としていました。もう晩秋です。明日は、その家に帰ります。
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