雨季なのか憂きなのか六月

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 季節が梅雨だからでしょうか、太陽の光と熱から遠ざかされる季節に、人の心が暗くなって、物憂くなってしまい、意欲が削がれ、活動も停滞し、行動が緩慢になる「六月病」が、今日日、話題になっています。

 三月、四月が、人の移動の多い月で、期待だけではなく、不安もあって、落ち着かなかったのか、五月に入ると、急に学校に来なくなってしまい、何時の間にかいなくなってしまった同級生が、何人かいました。いわゆる「五月病」なのだそうです。

 また会社などの企業体でも、社会人になって、勇躍として仕事に取り組もうとすると、未経験の世界で、失敗や挫折、上司からの叱責、人間関係のギクシャクさなどで、鬱的になって悩む若者が多いのだそうです。社会人になれて、楽しくて仕方がなかった自分には考えられませんでした。

 ただ、一緒に入社したのに、年が上だったせいもあって、何かにつけて突っかかったり、批判されました。こう言った人は、一発くらわすのが一番なのですが、ちょっと大人になったように思えて、しませんでした。自分よりも有名な学校を出てきて、しかも上司のコネで入ってきたので、自分が上だとでも思ったのでしょうか、鼻持ちならなかったのですが、相手にしませんでした。何時の間にか鎮まっていきました。

 最近は、「六月病」が話題になっているようです。入社後、入学後、もう3ヶ月にもなるので、甘やかされることがなくなり、期待度も増し加わるのですが、新しい環境に、なかなか適応できなくて、落ち込んだり、悩むのでしょうか、melancholy 症候群とでも言える心の新人がいるのです。

 だからでしょうか、離職していく、いとも簡単に辞めてしまうのです。考えられないような恵まれた職場に入ることができたのに、回された部署が、自分にはあっていなく、やって行けなくなって辞めるのだそうです。二、三年教えられて、学んで、慣れて、次の配置転換を待てばいいのに、待てないのです。

 よく聞かされたのが、「うなぎ職人」が一人前になる修行があるのだそうです。『串打ち3年、裂き8年、焼き一生!』なのだそうです。たかがうなぎ料理、されどですが、下働きの時季がなくて、すぐに一人前になれると思ってしまうからです。住んでいた家の二軒隣が食堂で、お母さまと息子さん夫妻とが経営していました。いつからか、うなぎを焼き始めたのですが、サラリーマン上がりで、注文を取りにきて、何年か注文しましたが、美味しくなかったのです。そのうちに、お母さまが亡くなられて間もなく、廃業されてしまったのです。

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 お隣の国にいた時、若い方が、よく遊びにきました。来られた時に、日本風のカレーライスを作ってご馳走で歓迎したのです。作っているのを眺めていたのでしょう、故郷に帰って、カレーライス屋を始めたのです。お金は親に出資してもらい、小さな店を構えて、営業を始めますが、続かなかったのです。

 俄(にわか)づくり、超短期養成の料理人は、真似ることはできても、売れる仕事にはならないのです。慣れ過ぎても、促成、即成でもやはり駄目な例ですが、自信のない人の仕事もまた無理に違いありません。

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 『石の上にも三年!』、辛抱なくて一人前の社会人には慣れないことを、父に教わりました。常に半人前、修行中の身であることを旨とし、それを忘れないことなのでしょうか。事に真剣に立ち向かっていくなら、自信も湧いてきますが、結局は謙虚さに違いありません。「見習い意識」でいることでしょうか。今年の関東地方の梅雨入りは遅くなるようです。そうそう、あの食堂に、招き入れられて子どもたちがごちそうになって、下の娘が、『ラーメン屋になる!』と言っていたのを思い出しました。

(ウイキペディアの梅雨前線、カレー・ライス、ラーメンです)

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