どんな時代が来るのでしょう

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『鉄腕アトム』ハリウッド実写映画化、脚本家決定で再始動

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 〈情報過多〉を痛感する昨今、「栃木市民大学教養講座」の第二日目、「人工知能やロボットの仕組みと社会展開(講師 宇都宮大学工学部 尾崎功一教授)」を、この11日に受講して来ました。

 初歩的な段階なのだと思いますが、人工知能を持ったロボットが、日本第一のいちご生産量を誇る、県下のイチゴ農家で実用されていて、なお、農耕に従事させたいロボットの開発に取り組んでいることに、講師が触れておられました。

 実際に、イチゴの収穫作業を、この農耕ロボットがして、もうだいぶ経過しています。色とか形状の情報を、あらかじめコンピュータに入力しておくと、ロボットは、その情報を元に、収穫の作業をし、一個一個を、定められた受け皿に収めて行くのです。作業自身は難しくないのでしょうけど、商品になるイチゴを見極める判断を下すのが、この「人工知能」になるのでしょう。

 中国の東北地方にある工科大学に行っている学生さんが、帰省中にわが家に来ては、日本語の交わりをして、日本の大学院への留学の準備されていました。性格の素晴らしい青年で、卒業後、日本に実際に留学したのですが、しばらくの滞在で、大学院入学を諦めて、帰国され、お父さんのおられる上海の会社で働き始めています。

 この方は、「医療ロボット」の開発に当たりたくて、大学で学び、留学を願ったのですが、方向転換をされたのです。家内を見舞いに、彼を訪ねて、応援に来られたご両親と一緒に、こちらにおいでになったこともありました。その彼の訪問で、家内は、ずいぶん元気になっていました。

 お母さんが、海辺の出身の方で、おじいさんのところに遊びに行った帰りに、一緒に獲ったという、小ぶりの貝を茹でて持って来てくれたことがありました。東シナ海の貝は、ほんとうに美味しかったのです。何度も手術をした経験者の私は、彼の学びを応援していたのですが、他に生きる道を見つけたのでしょう。

 今の驚きは、病状、病巣などを、診察された結果の情報を教え込まれたロボットが、これからは、医者の手ではなく、情報を提供しされたロボットが医師の主導で、医療行為をする時代が現実になっているのでしょう。何度も手術をした経験者の私は、麻酔をしていて、その手術の様子は分かりませんでしたが、あれも医療ロボットと呼ぶのでしょうか。

 機械には、感情がありませんし、疲労をもしませんから、混乱しないのでしょう。正しい情報があるなら、それを忠実に判断し、診察もできるのでしょう。家内の治療を見てきて、血液検査、尿検査などの化学検査、摘出された病巣部分の検査、CT MRIなどの映像をもとに、医師の経験から、診察がなされ、薬に投与がなされてきたのが、これまでの経過です。

 こう言った情報も、人工知能に提供して、その人工知能が、治療法を弾き出す時代になって行くのでしょうか。よく治療のことを、「手当て」と言われて、手での触診、目で患者さんの顔色とか肌の状態とかを診て、耳で声や内臓の動きを聞き取ったりしていたのに代わって、人の手ではなく医療ロボットが、診断を下すのでしょうか。

 どこまで専門職の領域で、用いられて行くのでしょうか。ロボットが、医者を指示し、また間違いを矯正し、いえ、もっと専門的に、医師の適性までも判断して、監督者のような立場になって、〈人工頭脳病院〉に変わっていきそうですね。院長は、スーパーコンピューターのような情報を持っている〈ロボット先生〉になっていくと、もう給料を払わないで済む時代が来そうですね。

 そうしますと、愛とか悲しみとか同情とか憐れみのない鉄の塊、コンピュータの変形が、人や組織を支配する時代が、来るのではないでしょうか。時々思うのですが、体をめぐる血液や体液、皮膚などから、今後の分析学や病理学が躍進していくと、これまでの病歴や疾患の患部、そして処方の仕方、どんな薬剤を投与するかまで、教えてくれそうです。

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 イチゴの収穫、道路上を移動する自動車、空を飛ぶ航空機、お使い、送り迎え、接待、慰労接待まで、なんでも作業をしてくれそうなロボットの天下になりそうで、ちょっと怖くなってしまいます。昔、忍者が、一粒の丸薬を飲むと、それだけで一日中生きていける体力を養えのだと言う話を聞いたのです。食べ物だって、そんな人工知能が作り上げてくれるのでしょうか。でも、夕張メロンを美味しく食べた先月、あの名前の持つ定評ある価値、色合いを見て、実際に味わい、目で舌で耳で楽しむ期待感や満足感がない、夕張メロンに代わるものなんかできるのでしょうか。

 もし、すべての感情を満足させてくれるような人工知能ができたら、もうロボットはロボットではなくなり、人間は、人間ではなくなってしまいそうです。神さまは、人間がそうなる様には願っていません。神さまの「愛」が、あるから人でいられ、本来の人になれるのですから。

 次回の市民大学講座は、「徳川家康の半生と下野国」です。人工知能のなかった時代に、戦乱を終わらせ、徳川260年の治世の基礎を置いて、日本を支配した人物です。彼にも、彼のbrain(陰の知恵者たちや助言者たちや協力者のことです)がいて、政治・行政・外交・教育など政治的知恵袋、さらには商人・僧侶・儒者・技術者(経済官僚)・外国人なそが、側近にいて、さまざまな情報を提供したことでしょう。ちょっと興味深い講義になりそうです。

(手塚治虫の「鉄腕アトム」、「イチゴ収穫ロボットの手」です)

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