.
.
最近、意図的に、曖昧な言葉を使って、問題の真意から、人の関心をそらす様な、危うさが感じられて、大変に心配しています。重大性を、軽視させる様な働きかけがありそうです。
それが、〈カタカナ語〉の氾濫です。意味が分からなくて、チンプンカンプンです。日常に、普通に聞いたり使ったりする言葉ではないからです。ラジオもネットも、それに溢れていて、もう一度英語を学び直さなければならなそうです。英語だけではなく、フランス語もスペイン語も必要になってきそうです。視聴者に用語辞典を配って欲しいのです。
「アナフィラキシーanaphylaxis(アレルギー症状)」って何でしょう。アレルギーで亡くなった小学生の沙清ちゃんのことが、ネットに記されてありました。チーズに対するアレルギーだそうで、命に関わるほど、アレルギー症状は重大な問題なのだと再認識させられたのです。
以前、シンガポールで働いていた長女が、<小麦粉アレルギー>だと言われていました。それでも時々クッキーやパンを食べているのを見ましたので、きっと軽症だったのだと思います。
子どもの頃、ジンマ疹や皮膚がカサカサしたり、鼻垂れやシモヤケなどの同級生や近所の子がいました。きっと食料事情や栄養事情の好くなかった時代にあった症状だったのでしょうか。かくいう私も、鯖の酢漬けを食べて気持ち悪くなってから、食べず嫌いですが、家内は大好物の〈サバの味噌煮〉を、いまだに食べられないでいるのです。
小学校を東京都下で過ごしたのですが、その小学校では、昭和32年度から給食が始まって、給食なしで卒業した私には、「幻の給食」でした。当時、アレルギー食品が騒がれてもいなかったと思います。しかも、食べた食品で、人が亡くなることがあるなんて聞いたことがなかったのです。
今では、食品に成分表を添付することが義務付けられていますし、同じ工場で作られる食品の記載もされています。東京の大学に、中国から留学していた友人の息子が、私の友人の家を訪ねて、「日本蕎麦」を食べたのです。礼拝に出た時、彼の様子がおかしいと言うことで、救急搬送されて治療を受けたことがありました。それはアナフィラキシーだったのでしょう。
意味が分からないのが、
エビデンスevidence
クラスターcluster
フェーズphase
パーセクションpersecution
レームダックlame duck
レビューrebyu
アクノリッジacknowledge
蔓延等防止措置(日本語ですが意味が曖昧で通じません)etc.
極め付けは、〈ジェノサイドgenocide〉です。どうして「大量虐殺」と言わないのでしょうか。ラジオのニュース原稿を作る係がいて、アナウンサーが、それを読むのですが、きっと意味が分からなくて、マイクに向かっている場合が多そうです。みんな〈追いつけない症候群〉にかかってしまって、曖昧さが横行していそうです。深謀怪怪です。
官庁が、発表する文書に、多くカタカナ語が使われている様です。何か偉いことを言う傾向があり、読む私たちが、官吏の学識の高さに感心を示してもらおうとする動機も感じられそうです。国土交通省はパブリックコメント、外務省はタウンミーティング、経産省はノーアクションレター、財務省はシングルウインドウなどを使っていまして、日本語だって素晴らしい言葉なのですから、使って欲しいものです。これもコンプレクスのなせる結果なのかも知れません。
.