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『あの人は手が遅い!』と言ったりします。〈手際〉よく、物事を処理できない人のことを言う様です。これとは反対に、『手が早い!』と言います。これには、もう一つの意味があって、あまり好い意味ではないのですが、男性が女性への接近術が長けている人、喧嘩っ早い人を言うのだそうです。

「手」には多くの言葉があります(”weblio辞典“より)。

手に掛ける
① 世話をする。育て上げる。 「 手に掛けた牛をせり市に出す」
② 自らの手で殺す。 「息子をわが手に掛ける」
③ 自分で、思うように事を運ぶ。

手に手てを取る
仲良く行動をともにする。特に、男女が連れだって行くのにいう。 「 手に手をとって祖国の復興のために汗を流す。」

手を広げる
事業などの規模を大きくする。関係する範囲を広くする。 「商売の手を広げ過ぎている。」

手を袖(そで)にする
手を袖に入れる。何もしようとしない。袖手(しゆうしゆ)。 「 手を袖にして徒に日月を消するのみにて/学問ノススメ 諭吉」

手を取り合う
① 共通の喜び、悲しみなどに駆られて互いの手を握る。 「 手を取り合って泣く」
② 力を合わせる。 「 手を取り合って共にがんばりましょう」

手に落ちる
戦いや争いで、相手や敵に負けてしまうこと。軍門に堕ちる。「信長は光秀の手に落ちた」

手を切る
それまであった関係を断つ。縁を切る。 「悪徳業者と手を切る」

私の愛読書に、「手がきよく、心がきよらかな者、そのたましいをむなしいことに向けず、欺き誓わなかった人。その人は・・・祝福を受ける。」、「どこででもきよい手をあげて」などと記されています。弱くされて、困窮している人のために、「手をこまねく」ことなく、「手をのべて」、何くれとなくすることこそ、今日日、私たちのすべきことかも知れません。

「手の焼ける」私を、「手塩をかけて」育ててくれた親に感謝し、「手の離れた」私を見守っていてくれた父と母を思う、六月の初めです。

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