平和

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今朝は、“ フレンチ・トースト ” の朝食でした。カナダ産のメープル・シロップ、卵、フランスパンがあって、作ってみました。

結婚した次女が、この “ フレンチ・トースト ” を、彼のために作ったのです。卵を解いて、牛乳を加え、塩と砂糖で味をつけて、シロップをかけて食べるのですが、作っているのを見ていた婿殿は、ちょっと戸惑ったのです。サラダ・オイルでパンを焼いていたからです。彼女が子どもの頃に、私が作っていた様にして作ったのです。ところが婿殿のお母さんは、バターでパンを焼くのです。それが正道なのでしょうか。

わが家とは生活の格差のある婿殿との違いが出てきてしまったのです。でもそんなことにこだわらない娘は、もう二十年も結婚生活を、マイペースで続けています。今朝、家内に作ったのは、しっかりとバターと少量のオリーブ・オイルを加えた物で、弱火で焼き上げました。この正月にやってきた婿殿が、メープル・シロップをもってきてくれ、一度だけ使って、冷蔵庫の奥にしまってあったのですが、それをタップリかけて食べたのです。ホッペが落ちるほどに美味しく食べて、家内は大いに満足でした。

ところが卑しいのか、ケチなのか、私は、お皿にこぼれたシロップを、家内の視線を避けて、横を向いて舐め始めたのです。もったいないし、これが一番美味しいのです。『天皇さまの食卓に招かれたらしないからね!』と言い訳しながら、そうしましたら、家内が、宮本百合子さんの逸話を話してくれたのです。

ご自分の誕生日の食卓で、貧しい家に育ったお嬢さんが、ご馳走を食べ終わった時、満場注視の中、そのお皿を舌でペロリペロリと舐め始めたのだそうです。『何と、はしたない。おやめなさい!』と言う代わりに、百合子さんは、そのお嬢さんと同じ様に、お皿を舐め始めたのだそうです。

そう言って卑しい私を、家内は庇おうとしたのです。これって、立場の弱い若いお嬢さんの《急場を救う》と言う場面ですが、そうすることのできた、米沢藩士だった祖父を持ち、裕福な家庭で育った百合子さんの度量の大きさに驚かされてしまうのです。家内は、庇う必要を感じなかったし、人の目もなかったのですが、皿舐めはしませんでした。平和な日曜日の朝です。

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