アニ

 

 

二十代でお会いして、男っぽくも、いい男でもないのですが、お会いして、話をしてから、「アニ」の様に感じた方でした。その後、一緒にテニスをしたり、読書会をしたり、コーヒーを飲んだり、風呂に浸かったりしていました。その方の近影を、"FaceTime"で見付けたのです。今朝のことです。今の情報社会というのは、ヒョンなことで、写真や文章を見付けたりできる、驚くべき時代なのですね。

この方が、東京から遠くに行かれて、私も遠くに来てしまってから、音沙汰なしの時が過ぎていました。昨年、鍵盤断裂の縫合手術を、札幌でして、退院後の6ヶ月検診で、秋になって、札幌まで行きました。帰りに、遠回りをして、この「アニ」の住む街を、家内と一緒に訪ねる予定を組んだのです。八十を超えているのに、自分の責任の事務所を、息子さんに任せて、ご自分は無任所の事務所に出掛けている、まだバリバリの現役なのです。

私が訪ねた日は、この方は、東北の街に出掛けていて、生憎の留守でした。奥様が残っていらっしゃって、お会いし、しばらくお交わりをしたのです。街案内をしてくださると言われたのですが、お忙しそうにされていたので、せっかくの親切をお断りし、辞してしまいました。私が、実の兄と一緒に、台湾に講演旅行をした時に、台南に行きましたら、そのホテルの席に、この方がおられたのです。私がメイン・ゲストになっていて、ちょっと申し訳なかったのです。

この方は、気張らず、威張らず、見栄も張らない謙遜な方でしたから、多くの方に慕われていて、私もその一人でした。この方が、誘ってくださって、アメリカの北西部の街を訪ねる「旅行団」に加えてくれたのです。子ども含めて、15人ほどでした。彼と同じ学校の同窓生で、この「アニ」を尊敬している、アメリカ人の事務所に行ったのです。その尊敬が、私たち一緒に行った者をも厚遇してくださって、大歓迎してくださったのです。

4日ほどの滞在でしたが、高級ホテルをご用意くださって、その間の茶菓や果物を、大き目の袋に入れて、ホテルの部屋のテーブルの上に、一人一人の分をおいての歓迎でした。その所長の奥様のされたことでした。"100$紙幣"まで入っていて、久し振りの<お小遣い>でした。あんなに快適な、ゆっくりした旅行は初めてでした。

35℃も気温が、まだあるのに、やっぱり見えない「秋風」が、頭をくすぐっているのでしょうか、どうにも人恋しく、慕わしく思い出されてきた様です。思い返すと、良い人たちと出会ってきたものです。来年の帰国時に、この「アニ」を訪ねてみたいと、今から思っています。実の兄が二人もいるのに、もう一人の「アニ」に恵まれたのだと、ただ感謝しているのです。

6日の地震の影響は、どうだったのかも、ちょっと心配です。ちょうど10歳違いの方 です。

(海から眺めた(臥牛山(函館山)です)

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