食の安全を求めて

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『神は仰せられた。「見よ。わたしは、全地の上にあって、種を持つすべての草と、種を持って実を結ぶすべての木をあなたがたに与える。それがあなたがたの食物となる。(新改訳聖書 創世記1章29節)」

 「地産地消」、”スローフード”という、食生活への勧めの言葉があります。若い頃はよく食べ、懐かしくて一度、宇都宮にあるキング・バーガーで、所用の後に食べた、そのような”fast food “ではなく、また輸入食品などでないものを摂ることが、一番適切な食生活だと言う勧めなのです。

 私たちは、結婚当初の二人だけの生活が、子育てを終え、四人の子が独立していってから、再び戻ってきて、病んだり老いを迎えたりして、今は、ずいぶんと平凡で単調な生活が続いています。ことのほか、家内が病んで、急遽帰国してからの、この6年間は、アッという間に過ぎていきました。

 隣国の素晴らしいクリスチャンたちの間で過ごさせていただいた、13年間も、アッとの間に過ぎていき、ただ懐かしい思い出とともに、たまに二人の会話に、漢語が飛び出して来たり、家の教会で、みなさんと歌った賛美も、懐かしく歌うこともあります。

 ある時、私たちが集っていました教会の方が、有機野菜の栽培をしようとしている農家が、『もし30〜50世帯の方と契約できたら、経営していけそうです!』、そうおっしゃっていました。2人世帯の消費量は、そう多くありませんが、そういった願いのある農家を支えていこうと思っていた矢先、帰国となってしまったのです。

 過剰に農薬や飼料が使ての農業の生産物は、どうしても避けなければなりません。そのような思いで帰国しこちらでの私たちの生活を助けてくださったご夫妻がいて、新しい街での生活が始まったのです。布団から、家財道具、調理用具の鍋釜、茶碗までお借りし、その上、家までお借りして生活が始まったのです。

 2019年の秋の台風で、その住んでいた家が床上浸水で住めなくなり、このご夫妻の息子さんの友人が牧会している、県北の教会の二階のゲストルームに急遽、住まわせてもらったのです。その教会の台所を使わせていただき、お米や野菜や果物を、教会のみなさんが届けてくださったりして、何度か近くの名物ラーメン店で、佐野ラーメンも食べ、理容室で髪の毛も切ってもらったりもしたのです。

 驚くことに、家内が退院でき、私の作る食事を口にしてくれるようになって、47年も受けたお返しで、見様見真似で台所仕事をやってきました。今では家内が昼食作りの当番をしてくれ、夕食もおかずを一品を作ったりしてくれる様になってきているのです。そんな中で、コープ生協よりも選定基準の注意深い食品の宅配を、そのご夫妻に紹介していただいたのです。

 農薬や添加物を極力使わない食材や、化学薬品未使用をしない、有機栽培のや飼育の米や肉類、魚、卵などを注文できるのです。病んで、注意深くなった家内の基準は高くなっていて、それを守っているのです。週一の宅配ですが、醤油も味噌も、有機の物が入手できます。

 健康維持のために、健康的生活のためには、それがいいのでしょうか、食生活の改善が、良かったと思うのです。県内産の野菜や果物が多く、海なし県で、海産物は獲れませんが、養殖ではない物が多く入手できます。国産にこだわり、しかも生活圏に近いところで生産される物が、優先的に選定され、入荷し、配達されているのです.

 それとともに、自家栽培がしたくて、狭いベランダで、トマトやナス、オクラやイチゴなどを、これまで育ててみたのですが、どうもうまくいきません。私の弟は、広いベランダで、インゲンを植えたり、ナスを育てていたりしていて、けっこう収穫があるのだそうです。それで、集合住宅ではなく、庭付きの家に住みたいのですが、今住んでいます家は、四階で東側に窓があって、陽当たりと景観が抜群によくて、家内は住み続けたいのです。

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 その“ slow food “ は、イタリアで始まったのだそうで、その土地土地の伝統的な食文化や食材を見直そうとした運動なのです。あの ”fast food  “ の流行りに対抗して始まっています。まさに宅配で購入している食品は、そんな運動に追い打ちをかけているのでしょう。

 帰国したばかりの頃に、〈苺の農薬使用料〉のことが、あるサイトに載っていました。台湾が、日本産の苺の輸入禁止をしているそうで、その理由も記されてありました。何と、台湾の農家の400倍もの殺虫剤を使っているので禁止ているそうで、驚いたのです。病害虫から守らないと、商品価値を維持し、上げられないので、そのように使用をしているのです。

 以前住んでいた街で知り合った、果物栽培農家の方に招かれて、お宅に行きました時、美味しい桃を出してくれました。『これは食い料で、家で食べてる物だから美味しいですよ!』と言われたのです。農協に出すのとは別な木から獲った物でした。農協企画があるのでしょうか、初めて聞いて驚いたのです。大きさや綺麗さではなく、農薬使用を極力控えた桃なのです。生産者は、そんなに気を使っているなら、私たちも注意しないといけないなと思わせられた次第です。

 父と母に養われ、子どもたちが与えられてから、親として私たちが彼らを養いました。その私たちに食物を与えてくださったのは、種を与え、水と光を与え、肥えた地で育ててくださったのは神さまでした。

(ウイキペディアの欧州連合〈EU〉の毒の印、イタリヤのミラノです)

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