兰州(蘭州)

 私たちのアパートの前の道路沿いに、「兰州拉面(蘭州ラーメン」の店が、留守しています間に、新規開店しました。昼前に、出先から戻ってきた私は、その店に入って「牛肉焼飯」を注文したのです。実は、いつものように、メニューを見ては、『麺にしようか、御飯にしようか?それとも・・・』と、5分くらい迷ってしまって、やっとチャーハンに決めた次第です。とんでもなく辛いものがあって、注文したけど食べられなかったことがありましたので、選択が慎重になっているのでしょう。

 さて、どうしてつられて入ってしまったのかといいますと、この店の屋号にひかれたからです。シンガポールに行ったときに、同じ屋号の店に、時々食べに入ったことがあったのです。長女の贔屓の店で、地下鉄の駅の近くに「中華街」があって、その中にあります。今朝は、朝御飯を抜いていましたので、おなかがすいて、家に戻って自分で作るのを躊躇してしまったのです。そこで食べたチャーハンの御飯に、実は芯があって、ちょっと重たかったのですが、味付けも具材もまあまあだったので、けっこう食べてしまいました。

 この「兰州」というのは、中国の西北部にある甘粛省の都市で、322万人ほどの人口を擁しております。青海省と寧夏自治区の間に南北に長い省です。テレビで見たことがあるでしょうか、小麦粉から麺を創るときに、包丁を使わないのです。こねた粉を何度もなんども振りながら、倍々に細くして作るのです。この麺で作るのが、甘粛省の名物の「兰州拉面」です。シンガポールの店で、その様子を見ていて、とても気に入りました。何度目かに行ったときに、写真をとってくださって、今も店内の壁に張り出されているのです。日本の『食べ物紀行」のテレビ番組などに、時々出ている有名店で、ご主人も奥様も、実に気さくな方で、親切です。

 

 次回、家の近くの店に行ったときには、「兰州拉面」を迷わずに注文しようと思っています。店で働いていた少年が、新疆の回教徒がかぶる白い丸い帽子をかぶっていましたので、きっとイスラム系の人が「老板(ラオバン・店主)」で、日曜日なので息子が手伝っていたに違いありません。味は、シンガポールの方が、口にあっていますが、ここのものも好きになりそうです。一皿7元でしたから、日本円で85円くらいの昼食でした。そういえば、メニューに、「刀削面(山西省の名物で、ナイフで削りながらお湯の中に入れてゆでる麺です)」が載ってましたから、次回は、どうしよう・・・・・。

乳母車

 こちらの街中で、最近、目立っているのは、「乳母車」、今の人は、《ベビーカー》というのでしょうか、それを押して歩いている母子の風景です。以前はほとんど見かけませんでしたが、きっと道路が整備され、交通ルールが守られてきたので、表に子連れで出歩く機会が増えたのに違いありません。つい乳母車の中をのぞきこんでは、ニッコリしてしまうのですが、孫恋しい風情と、人の目に映ってしまうのでしょうか。

 そい言えば、ひと月あまり過ごした「代官山」の駅周辺の歩道上も、時々乗った電車の中でも、「乳母車」をたくさん見かけたのです。もしかしたら、以前は全く関心がなかったので意識外にあったのかも知れません、しかし、そうとばかりはいえません。こちらに帰ってきます日に、恵比寿の駅から日暮里まで山手線に、9時半頃に乗りこんだのですが、まだ遅い通勤時間帯でしたのに、「乳母車」を見かけたのです。もしかしたら、通勤風景だったのかも。

 今、少子化が問題にされ、将来の人口推計が公表されていました。50年後の2060年には、現在の人口よりも、4000万人も減って8674万人になってしまうというのです(厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所)やがて老人天国(その頃は、天国からこの地を眺めていることでしょうか)になるだろう、とニュースが伝えていましたから、『うっ、違った傾向かな?』、つまり子育て中のお母さんが増えてる傾向かなと思ったりしたのですが。

 

 これも私の勘違いで、若いお母さんが、素晴らしいいデザインの乳母車に可愛い自分の子共をのせて外出するのが、《クール(カッコいい)》で、それが流行りになっているのかも知れません。ある店の前には、乳母車が何種類も並べて展示されてありました。私たちが子育ての時に、誕生祝いに、義妹が買ってしてくれたのを使ったのですが、それだって当時は高級品で、義妹の奮発でしたが。最近は、ベンツのような「高級車」といった感じがしていました。

 自分が生まれたのは、出生数の極めて低い年でしたが、弟あたりからは、いわゆる「団塊世代」、英語の”babyboomer”になりました。その世代の子どもたちが、1970年代の「第2次ベビーブーム」、二代目団塊世代で、近所にあった中学校は、急増のプレハブが造られていました。第三次団塊世代は、出来上がらなかったのですが、将来の人口減の日本は、どうなってしまうのでしょうか。まあ、心配したことはないのかも知れませんね。素晴らしい知恵が結集されて、明るい世界が出来上がると、楽観視したいものです。

 それにしても、《乳母車ブーム》に、もっと拍車をかけてもらいたいものですね。お母さんといっしょに乗る《エレクトリック・ベビーカー》などが、きっと売りだされるかも知れませんね。それで子供の出生率、出生数が上がるかも知れません。昨今は、《ひ孫》も視野に入れていますので、楽しみです。