2011年、日本、中国、アメリカ、シンガポール、ブラジル、すべての国と民族に広がります、私の家族、友人、知人、そして、みなさんの上に、平安と健康と繁栄を、ここ華南の空の下からお祈りしたします。私たちは、5回目の新年を、ここ華南の地で迎えることができました。あいにく今日は断水で、お昼には若い友人たちを、「お雑煮会」に招いたのですが、残念ながら取り消さなくてはならないようです。
日本の社会に起こっていますことを、こちらから眺めますと、今まで分らなかったことが理解され、以前、外から見ていた中国も、こちらで見聞きしますと、さらに鮮明に理解されてきております。
ここから上海に至る道の途上に、「寧波」という港町があります。かつて中国と日本とを、経済や文化や宗教などの交流で強く結びつけた街なのですが、今年は、この街を訪ねてみたいと思っております。日中関係は、隋や唐(紀元600年頃からでしょうか)、元や明の時代(日本では鎌倉から江戸初期の時代になるでしょうか)から、この寧波を出入口にして、脈々として密接につながっているのが分かります。
さらに福建省からは、多くの福建人が船に乗って渡って行き、日本に定住しているのですから、私たち日本人の出自の一つの地が、ここにあることになります。一緒に食卓についてくださる友人たちの所作を見ていますと、アメリカの知人宅でテーブルについて感じるのとは違って、同じ家族の一員であるような、親しみを覚えるのです。昨年末、家内が病気で入院しましたときに、こちらで出会った友人たちが示してくださった愛に、私たちの魂の深いところが、ギュッと握られ掴まれてしまったようです。「你們是我的一家人吧」だと言ってくださる彼らに、家族や親族の血縁以上のものを感じさせられている日々です。
この国が、さらなる喜びにあふれて、心のそこから感謝の笑顔に満ちていくことを願っています。
愛するお一人お一人に感謝し、ご挨拶を申し上ます。今年もよろしくお願いいたします。
(写真は、遣唐船、遣隋船が出入りした「寧波の港」です)