「社会的弱者」、「経済弱者」、「買物弱者」、などと言われる人たちがおいでです。そう言ったみなさんに、その社会、国家、集団などが、どのように援助していくかが問われています。
病気や障害や事件、天候などの天変地異の出来事によって、損害や損失などをこうむった人たちに、どう接していくかが問われるわけです。そのような立場、環境にある人たちが、社会的に、経済的に、身体的に健康であるように援助していことが求められます。
イスラエルの社会の中で、とくに経済弱者であった、寡や孤児や外国人への配慮や援助が、神によって定められていました。
『汝他國の人または孤子の審判を曲べからず。また寡婦の衣服を質に取べからず。汝誌ゆべし。汝はエジプトに奴隸たりしが汝の神ヱホバ汝を其處より贖ひいだしたまへり。是をもて我この事をなせと汝に命ずるなり。汝田野にて穀物を刈る時、もしその一束を田野に忘れおきたらば、返りてこれを取べからず。他國の人と孤子と寡婦とにこれを取すべし。然せば汝の神ヱホバ凡て汝が手に作ところの事に祝福を降したまはん。 汝橄欖を打落す時は、再びその枝をさがすべからず。その遺れる者を他國の人と孤子と寡婦とに取すべし。また葡萄園の葡萄を摘とる時は、その遺れる者を再びさがすべからず。他國の人と孤子と寡婦とにこれを取すべし。汝誌ゆべし汝はエジプトの國に、奴隸たりしなり。是をもて我この事を爲せと汝に命ず。(文語訳聖書 申命記24章17〜22節)』
イスラエルの主なる神さまは、社会的弱者に対して、格別な配慮をし、この寡(やもめ)、孤児、在留異国人のみなさんの食べたり、飲んだり、着たり、住んだりすることについて、共に住む他者に責任を果たすように、イスラエルの民に命じたのです。
聖書と Counseling を学んだ学校で、この箇所をテキストに、退職して帰国する外国人教授の最終講義がなされたのです。旧約聖書の研究をされてきた学究派の聖書教師でした。社会弱者を顧みられる神さまを、学徒に語りたかったのでしょう。淡々と話されたのです。
非生産的、非貢献的な人間への神の顧みということ、寄るべなき者を、決して見捨てられない神さまがいて、人にも、寄るべない者を顧みるように要求する神がいらっしゃることに、まさに聖書が知らせる神さまのご性質の最もはっきりしたことではないでしょうか。
生きていたって役に立たない人など、価値も意味もないとされている人間社会に、そう言った人々と共に生きるために、心を配り、物を分け与えるように願う神が、聖書の示すお方なのです。強者だけが生き残れるような人間社会に、弱者保護規定を設けられたお方を、神だと知ってから、わたしは、自分の生き方が変えられたのです。
今も「弱者」がいますが、最近身につまされているのが、「情報弱者(デジタル弱者)」です。デジタルの世界の驚くほどに進歩し、変化し、その日進月歩の現実についていけない、われわれ世代が、その動きの中で、ポカンとしてしまっているわけです。
日本語の中に、カタカナ語が混じると、何が何だかチンプンカンプンで、ついていけないと言うか、拒否反応が出ているのと同じです。ラジオのニュースの中で、カタカナ語が出てきますと、英和辞書で字引きをするのですが、日本語化されている英語は、spelling がわからず苦労してしまうのです。
今や、家内も私も「デジタル弱者」なのですが、携帯電話を持たない、キャッシュカードを使わない、車を持たないなど、旧態依然とした生き方をしている方が、時々いらっしゃいます。上の兄は、頑なに携帯電話を持ちませんし、近所の家内の友人も、家に黒電話を置いてるだけなのです。
それでいて、生活に困ったり、不便を感じていないのです。文明の力に操られないで、人として、ごく自然に生きているわけです。でも、ITとか AIとか言う時代になって、だんだん生きにくくなってしまっています。そんな私たちを「アナログ世代」とか言うそうですが、昨日も、家内の通院に付き合い、薬局で投薬を受けました。
保険証の代わりに、マイナンバーカードで顔認識をされていました。テレビドラマの中にあった、なんだか犯罪者の面通しのように見えたのです。初めての職場は、出社や退社時には、名簿の記入でしたが、その内に、機械にカードを挿入するようになり、今では、顔認識、眼球認識(虹彩認識: Iris recognition)になっているそうです。何か、人が物扱いされているようで、怖いようです。
一枚のプラスチックのカードの挿入、さらに眼球認識になると、個人情報が悪用され、昔、宣教師さんに、終わりの時代に、「世界政府」ができて、そこに全人類の情報が集められ、すべての人が管理されると、聖書研究で聞きましたが、そんな時代の到来がきていそうで、心配です。黙示録には、「666」の謎の数字が出てきますが、謎解きがなされています。
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