『普段の生活の中で、日常の場からスマホをかざして、数枚の写真を撮るのです。日常から、心的に、倫理的に、時間的に、そして距離的にかなって撮った写真に意味があります!』、これが私の写真撮影の倫理規定なのです。
廃線や廃業、仕方なく営業できなくなってしまう電車やバス路線や年を経た建物、また風景、人を惜しむ思いから、その記憶を留めておきたくて、写真撮影に出向く人がおいでです。みなさんが規則を守っているとは限らないのだそうです。
私たちに住んでいる家の隣に、一軒の写真屋さんがあります。今は息子さんに譲って勇退しておいでの片岡惟光(よしみつ)さんは、北関東最古の写真館の四代目で、私たちのラジオ体操仲間なのです。
代々、日光東照宮の警護をされていた武士で、明治維新前に、初代の片岡如松(じょしょう)氏が、『東照宮を撮影するために訪れた、日本商業写真の先達であった下岡蓮杖(れんじょう)の弟子・横山松三郎が日光山内の社寺建築を撮影した際、手助けをしたことから、写真技術を学び、道具一式を譲り受けた。(産経新聞)』、それで、写真術を修業されて、日光市に開業し、維新後の明治二年(1869年)、栃木県庁のあった栃木市に、明治四年に移転し、写真館を始められたそうです。
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先日も、体操の帰りがけに、『いろいろとお聞きしたいのですが!』と、四代目にお話をしたのです。いつかコーヒーを飲みながら、お話が聞けたら嬉しいと思っております。2020年の正月、私たちの家族が、全員集結したのを機に、この写真館で家族写真を撮っていただいたのです。たっての家内の願いによってでした。
写真撮影は、ある瞬間を捉えるのがいいのです。その瞬間との出会いが大切で、それが写真の撮影技術の難しさ、奥深さなのではないでしょうか。雲の動き、日の光、日影の動き、風の吹き様、人や動物や植物の表情を捉えられたら、素敵な写真が撮れるのでしょう。
次男が、けっこうよいカメラを手に入れて、それを手にしながら、休みの日には、あちらこちらと撮影に出向いている様です。先日は、静岡の旅行先で撮影した写真を送ってくれました。木村伊兵衛、土門拳、ロバート・キャパなどの著名な写真家がいますが、誰に評価を得はしなくとも、一人一人が、瞬間を捉えた一様に写真には、人の生き様の一場面が映し出されるのでしょう。
人の撮影を邪魔したり、運行のバスや電車の前面を静止を、制止を無視して横断してしまい、ゴミを捨て置木、駐車違反などの問題が取り上げられています。
趣味が、規則を守って行われるなら、それは自他ともに素晴らしいことに違いありません。写真には、撮影者の心の動機は写らないのですが、その辺のことが考えられて、撮影が行われるなら、それこそが、本物の写真趣味人なのでしょう。
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