ここに貼りつけた写真は、「新柔道?」のようです。身につけているのは、「柔道着」ではありませんし、素足であるのにクツを履いています。それに、帯も締めていません。また、畳の上ではなく、土の上です。さらに形相をみますと、怒りに満ちていますから、スポーツのようには見えません。この戦いを見ている人は、審判ではなさそうです。何なのかと、よく見ますと、アメリカ人とメキシコ人なのです。アメリカ人が、メキシコ人を投げ倒しているではありませんか。投げていますから、「柔道」だと思ったのですが、こんな柔道、見たことがありません。
これは、ついこの間の「ワールドベースボール」の予選で、アメリカ・チームとメキシコ・チームとが対戦した「野球」の試合の一コマなのです。一コマと言っても、野球ではなく、怒り心頭のアメリカ選手が、メキシコ選手を、地面に叩きつけているのです。バットもグローブもボールもありませんから、「乱闘」なのです。私はこの写真を見た時に、「新しい柔道」が始められたのだと思ってしまったのです。ところが、多くの少年たちが憧れて、『何時かイチローのような、松井のような野球選手になりたい!』と願っている「野球」をしている選手同士の争いだったのです。
父が、「プロ野球」が大好きで、とくに「読売巨人軍」のフアンでした。テレビの中継時間が終わると、小型ラジオに耳をつけて、最後まで勝敗を見守っていたのです。その父の影響で、兄弟4人が、同じように「ジャイアンツ」贔屓だったのです。すぐ上の兄は、高校球児になり、東京都の大会で、ベスト16位になったことがあったと思います。私は、兄たちとキャッチボールをしたり、友人たちと「三角ベース野球」をやったりしたのですが、鈍足だったので、野球は不得意でした。東京ドームではない、「後楽園球場」には、兄に連れられて2回ほど行ったことがありました。そのころの「プロ野球」は、とても面白かったのです。
しかし、最近はつまらないのです。「高校野球」も、清々しい若者のスポーツの雰囲気がなくなり、青田買いのように、「契約金」をちらつかされて、「野球=お金」の算式になってしまいました。昔は、貧しい子が、一生懸命やって夢を叶えられた時代だったのでしょうが、今は、そうではなくなりました。ほとんどの「アマチュアスポーツ」が、「お金」に絡んできてしまいました。だからつまらなくなって、カサカサした乾燥感がしてきたわけです。そんな中での、「乱闘劇」、象徴的な出来事ではないでしょうか。
(写真は、2013年3月10日のカナダ対メキシコ戦の一こまです)