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「トレイル(Trail)」ということばは、引き摺った跡、通った路、痕跡、舟跡、航跡、けもの道、手がかり、踏みならされた路、小道、流星の尾といった意味があります。
ある高校や大学には、ワンダーホーゲル部というクラブがあって、登山部とは一線を画して、急峻で有名な山を登頂するのではなく、ただ山歩きをする活動をしていたのです。ドイツ語で、Wandervogel と言って、自分の国を歩いて知るという目的で、若い人だけではなく、多くのドイツ人が、国中を歩くのです。
ワンゲルの一種でいいのでしょうか、時には一万歩近く歩く日があっての「散歩」が、私にはあります。歳をとると、時間ができるのとは反対に、体力が落ちてきたり、病気がちで運動不足になるので、健康維持法の一つとして、この散歩を励行しているのです。
朝の仕事を終えると、小物入れを肩にかけて、四つの散歩コースを、その日の気分で選んで、歩き出すのです。足の向くまま気の向くままの散歩の日もありますが、散歩コースの脇に咲く花が綺麗で、春先が一番楽しいかも知れません。
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立ち止まって、スマホをかざして、その花々を撮るのです。もうスマホはいっぱいになって、編集をしないとパンクしそうです。先週末は、紫陽花を観ようと、その訪問中の次女の運転で家を出て、この地の名所の大平山に、朝早めに出掛けたのです。雨も降っていたのですが、車から降りて、坂道を少し登っての花見でした。
次に車に戻って、山道を登る側道に、やはり紫陽花が咲いていて、それを眺めながら、上杉謙信が、大中寺の会議の途中に立ち寄った箇所として有名な、「謙信平」を通り過ぎたのです。たぶん謙信は馬上からだったのでしょうが、私たちは、車中から眺めたのです。冬場に晴れればフジが眺められるので有名な名所です。
そこから、娘の提案で、足利に行くことになり、フラワーパークに向かったのです。開園時間の間もない頃に到着しましたら、チケット売り場に人が、もう並んでいました。ちょうど「県民の日」とかで、入場料のサーヴィス・デイだったのです。県民を証明するものを提示するように言われたのですが、家内だけ保炎証をもっていてパスしたのですが、娘と私は持っていませんでした。
娘の交渉とチケット娘さんの裁量で、私は、住所を暗唱し、娘はパスポートでOKで、無料で入場できたのです。噂に聞いていただけで、初入場で、大いに花を楽しむことができたのです。貧乏性で、入場料が高いと思って敬遠していたのに、こんな機会が与えられて小雨の中、さまざまに咲く園内を散策しながら、楽しんだのです。こんなに心を躍動させるなら、もっと早く訪ねたかったなと思うほどでした。
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猿回しの二人芝居、一匹と一人でしたが、初めて見ることもできました。娘は、虐待の匂いがして、かわいそうに猿を眺めていましたが、猿に似た私は、猿の悲しい境遇を感じはしたのですが、エンターテナーとして、ごほうびのおやつで踊る一生懸命さに、拍手を送って上げたのです。猿でなくてよかったなと思いまいました。
お昼には、婿殿の奢りということで、娘が、ご当地で、ちょっと高級人気店の食堂で、ご馳走をしてくれたのです。リストに名前を記入して、呼ばれるのを待つ間、お腹が『グー!』と鳴っていたでしょうか、美味しくいただくことができました。
例幣使街道の近くを辿っ「よきTrail」の一日を楽しむことができました。やっぱり車での移動はいいものでした。娘と娘婿にいっぱいの感謝の目とお腹に美味しかった一日でした。
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