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“ 3rd place“と呼ばれる場所があります。先日、NHKのラジオで聞いあり、そんな題名の本もあって読んだりしたのですが、としますと1stも2ndもあることになります。自分が、”1st place”としている場所があるのです。今朝、その場所のことを思っているところです。そこは生まれ故郷と言いたいのですが、そうではありません。自分にとっては、これから行く所で、どうも永遠の居場所になる模様です。
ほぼ通常、第一の場所は「家庭」、第二の場所が「職場」、そして第三の場所は「趣味や余暇を過ごす場所」なのでしょうか。レイ・オルデンバーグが著した「サードプレース(みすず書店 2013年刊行)」を、今読んでいます。原題は“THE GREAT GOOD PLACE”で、副題は、
“Cafes,Coffee Shops,Book stores, Bars,Hair Salons and Other Hangouts at the Heart of a Community”
とあります。喫茶店や本屋やバーや理容室や他の遊び場(心を解き放って遊べる共同体)のことの様です。日常の義務から解放されて、思いっきり心を休ませたり、次に進む力を自分の内側に養う、余暇を過ごす場所を言っています。
中国にいました時に、学生たちと街の中心に出掛けたのです。そこは清朝時代から続く巷間、店や劇場や喫茶室やレストランなどが、軒を連ねている様な一廓がありました。帰国する数年前に地下鉄の駅もできていたのです。そこに、滞在期間中に、”Starbucks”が出店したのです。アメリカ風にではなく、中美折衷の意匠で建てられた店舗でした。美は、中国語でアメリカを美国と表記します。利用者のほとんどは、学生で、テーブルにパソコンを置いて、mag cup で珈琲を飲んでいました。ちょっと違うのは、スプーンでコーヒーをすくって、口に運ぶ飲み方をしていたのです。
そこは、シアトル、ホノルル、東京、栃木にある店と、同じ雰囲気なのです。授業や試験から解放されて、肩から力を抜いた彼らは、どこの国の都市にいる若者たちとも同じでした。文化や習慣には国境や民族の差はありません。まさに「スターバックス文化」でした。
ヨーロッパ映画を見ていると、道路と店の間に簡易テーブルや椅子を置いて、コーヒーを飲んだり、食事をしながら話を弾ませて楽しんでいる光景を、よく観た、あの交流の場です。また、子どもの頃に、里山の林の中に、木々の間に、運んできた板や縄やむしろで隠れ場を作ったり、土を掘った穴の上に、板やむしろで屋根を作り、そこに土をかぶせて作った、あの隠れ場、城です。英語ですと、”private room “でしょうか、「秘密基地」で、楽しい思い出の光景が甦ってまいります。
大人になって、子育て中に、月に二度ほど、けっこう大型のスーパーマーケットの床清掃の仕事を請け負って、14,5年続けたことがありました。夜間の6時間ほどの仕事でした。ポリシャーで床洗浄の後に、綺麗にモップで拭き、Wax仕上げをしたのです。それを終えて、掃除用具を店の倉庫に納めてから、街の朝湯の銭湯や山間の温泉に出掛けたのです。湯に浸かる時のホッとした時と場所は、疲れを癒してくれた一時でした。それこそ「隠れ場」だったのでしょう。
聖書に次の様な箇所があります。
『父よ。お願いします。あなたがわたしに下さったものをわたしのいる所にわたしといっしょにおらせてください。あなたがわたしを世の始まる前から愛しておられたため”にわたしに下さったわたしの栄光を、彼らが見るようになるためです。(新改訳聖書 ヨハネ17章24節)』
私にとっての、第一の場所は「わたしのいるところ」と、主イエスさまが仰った「所」に、この私をご一緒に、永遠におらせていただける場所なのです。これに過ぎる、“THE GREAT GOOD PLACE”はありません。七十代の終わり頃から、思いもよらない病気をし始めたのです。いえ、歳を重ねて、老化の兆候が見え始めたと言うべきでしょうか。1、2時間温泉に浸かり、体を横たえて休んで、お昼を食べると、もう回復していた若い頃の自分が、もう病気がちになったわけです。
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年相応の今を過ごしていて、別にもがきません。子育てを家内とし終え、宣教師さんから受け継いだ教会の奉仕を、家内と一緒にし終えました。それから隣国に出掛けて、13年を過ごしました。2018年の暮れに、娘の様にして、何かとお世話してくださった方が、家に来て家内の様子を見て、『すぐに病院で医師に診てもらいましょう!』と、省立第二病院、本院に連れて行ってくれました。即入院になったのです。
一週間後に、主治医から、『すぐ日本に帰って、大きな病院で診察を受けてください!』と言われ、すぐに帰国しました。栃木県にある獨協医科大学病院に行き、診察を受けましたら、そこも即入院でした。4ヶ月の入院で、ターミナル病院に転院て、家にしばらくいて、その手続きを考えていましたら、何と病状が回復して来たのです。通院し始めて、免疫力を高める薬剤を投与されて、40回受けましたが、肺腺ガンが消えて、痕跡だけが残ってしまったのです。
心地よい居場所、気兼ねなく過ごせる空間、非日常的な場所で、子ども時代の秘密基地などこそが、心を休めて、癒される場所だったのです。その様な場所を、どなたもが必要としている様です。そこがあるからこそ、次に進んでいけたのでしょう。夏になると天敵の蚊に刺されやすい体質で、今年は、酷暑で、蚊の発生が少なかったそうで、5回ほどしか刺されませんでした。ところが涼しくなっての10月になって、何と二度も刺されてしまいました。蠅帳型の蚊帳(かや)で5月頃から張って寝るのですが、その「避難基地」の蚊帳の中も、”3r place “で、「秘密基地」の様に、私は潜り込むのです。
それらは、永遠という時を考えますと、一時期の空間、場所です。ところが、主イエスさまと、共にいさせてもらえる場所は、永遠の“THE GREAT GOOD PLACE”であります。ご一緒に、そこに行きませんか。もう病むことも、痛むことも、悩むことも、苦しむことも、悔やむことも、そして死ぬことのない世界なのです。そう救い主が約束してくださっておいでです。
(“いらすとや”の秘密基地と温泉入浴です)
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