年の瀬に思う(4)

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今年のいつ頃からでしょうか、街中の多くの塀に、「中国夢」と幼児の絵の横に印字されたポスターが掲出され始めました。英語ですと、”China Dream”でしょうか、今年のスローガンのようです。案の定、中国版「今年の十大流行語」の一つに、これが選ばれていました。また、中国版「ツイッター」の「微博」で多く使われた言葉は、「逆襲(これは日本の人気テレビ番組で流行った『倍返し!』の翻訳)」、また、「オヤジギャル」の翻訳の「女汉子(<汉子>とは男を卑しめていうことば)」が選ばれたようです。フェイスブックの 『いいね』を意味する「点賛」も入っていました。

日本と中国は、漢字文化ですから、共通の思い、共有する文化があるわけです。特に中国の青年たちに、日本から発信された文化が受け入れられていることは確かです。外交的に高い垣根や塀があっても、それをを超えて行く力あるからでしょうか。文字のなかった日本が、中国から漢字をお借りして、この漢字の偏や旁や冠から「ひらがな」と「カタカナ」を作り出し、日本語の文字としたわけです。明治期以降は、ヨーロッパの言語を翻訳した多くの言葉、「和製漢字」が、中国に向けて逆輸出されてもいます。魯迅は、日本文学をよく読まれたので、自分の作品の中で、中国の漢字ではなく、日本漢字を多用しています。

いつの日にか、中国と日本の両国で、「今年の共通流行語」、「今年の共通漢字」が共同で選ばれ、両国で同時発表される日がくると好いですね。そんな夢を見ている年の瀬です。

(写真は、上海万博で復元された「遣隋使船」です)

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