年の瀬に思う(5)

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『子ども叱るな来た道じゃ。年寄り笑うな行く道じゃ。』

これは、有名な標語です。子どもの頃は悪童で、いたずらばかりしていて、親や近所のおじさんやお巡りさんに叱られていたのに、親になった途端、『俺みたいになったらいけない!』との自己反省から叱ってしまうのです。私たちの最初の子が男の子でした。『俺に似ないように!』と子育てを決心して、ずいぶん要求が多かったのではないかと、今、反省しています。もう一度、彼を育てる機会が与えられたら、もっと余裕を持って育てたいものです。初めての親をして、意気込みも強かったのでしょう。また、ある親は、子供の頃のことを、すっかり忘れてしまって、生まれてきた子に、必要以上に何かを要求したりするようです。そう言ったことのないように、親に気付きを与えているのです。<来た道>にあったことを忘れないことなのでしょう。

一方、年配者は、足腰や握力などが弱くなってしまい、物を落としたり、転んだりして、粗相(そそう)することが多くなります。『また、やってる!』と、子や孫が顔をしかめるのです。若い人も、今は力に満ち溢れていても、年を重ねると弱くなるものなのです。『それは<行く道>なのだから、忍耐して接してあげなさい!』との勧めなのです。最近、時の経つのが極めて早いのです。この2013年は、特別でした。おっちょこちょいの私ですから、子どもたちに笑われないようにしなければなりません。

この数年、中国のみなさんの「旅行熱」が高まって、世界中に出掛けて行かれています。素晴らしいことです。でも、外国の生活習慣が分からないので、ちょっとトラブルになっていると聞いています。これって、私たち日本人が<来た道>なのです。豊かになった日本人が、大挙して欧米諸国に出かけて行きました。<○○様御一行>という小旗を振ってパリやロンドンやローマの街を闊歩して、ブランド品を買いまくった時に、顔をしかめて非難されたことが多くありました。国際問題にもなっていました。若者が、落書きをして、親と一緒に、それを消しに出かけて行った、とのニュースを聞いたのは、つい昨日のことです。私たちには、非難したり批評する資格はないのです。

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今、<礼儀正しい日本人>だと高い評価を諸外国から頂くようになりました。中国のみなさんは、もうすでに、<行く道>の途上にあるのではないでしょうか。私たちは、様々な物事を、中国から学んできました。その最たるものは、「礼儀」でした。学んで、生活の中で実践してきたのです。源は、「中華思想」、「儒教」にあるわけです。ですから感謝こそすれ、非難などできないのです。日本を越して、「礼儀大国」になりつつある現今であります。

足が擦り切れることもなく、ずいぶん長く歩き、生きて来たものです。これからも、許される限り、感謝な心と、尊敬の思いをもって、中韓両国の友好のために、精一杯生きようと、この年の瀬に、切に思うのであります。

(写真上は十二月に咲く「プリムラ・マラコイデス」、下は「礼記」です)

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