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一昨日、shopping mall(ショッピングモール)に、訪問中の娘親子と、市の巡回バスに乗って出掛けたのです。歩き回るのが大変なほど大きく広い floor の店で、家内は車椅子を借りて、それを押したり乗ったりしたのでした。
娘たちは一階の店にいて、家内と私は二階の店にエレベーターで上がったのです。買い回っていると、館内放送で、私の名前を呼んでいるではありませんか。小さな声のアナウンスでしたので、もしかしたら娘が呼んでいるのかと思って、一階の店に行ったのです。彼女は『呼んでないよ!』と言うではありませんか。
何だろうと思って、ポケットとポシェットを調べると、物入れの財布がないのです。その中には、マイナンバーカード、クレジットカード、現金数万円が入っているので、大慌てしてしまいました。
その一階の店の前で、買おうとした物の支払いを、娘に頼もうとして、ポケットに結んでいたフックを外して、財布を渡したと思っていたのです。ところが、手から落ちていたのに気付かないままでいたようです。
よくニュースや YouTube で、日本人が財布や持ち物を拾って届ける番組があります。ある時、外国人の観光客が、諦めていたのに、それでも、お父さんからもらった大事なものでだったので、警察に届け出たのです。『私の国ではあり得ない!』と驚いて、それを取り戻して、とても喜び驚いている番組がありました。小学生の女子が、『困っているだろう!』と思って届けたのだそうです。
その番組の自分版に、年の暮れ、生き馬の目を抜くような人の多い雑踏のような大型店の中で、物入れをサーヴィスカウンターに届けてくださった方がいたのです。暗い午後を過ごさなければならなかったのに、感謝して、うどん店で、お昼をすることができたのです。
勤勉さだけではなく、正直な日本人に驚いた、あの大森貝塚を発見したエドワード・モース(Edward Sylvester Morse)が、旅館に小銭を落としたのでも、試そうとしたのでもなく、部屋に残して、数日経って戻った時に、畳の上に置きっぱなしにしていたものが、そのまま残っていたそうです。あちこちと旅行し、騙されることの多かったモースが、日本人の道徳心に驚いたのです。貝塚発見以上に、日本人の正直さや明朗さを発信した、滞在記の「日本その日その日」の記事を読んだのを思い出したのです。
シンガポールに旅行した時に、家内が具合悪くなって、救急車を要請して病院に搬送していただいたことがありました。上の娘が同乗してくれていたのです。診察と治療を受けて精算しようとしましたら、市立病院は、「請求額0」の医療経費を渡したのです。それには驚き、シンガポールへの感謝を覚えたことがありました。戻ってきた財布とは繋がらない出来事も、なぜか思い出したのです
驚く体験が多くあっての今、世知辛く、物騒で、嘘や欺瞞が多く、人心が荒れているような日本の中で、こんな親切さと正直さに、捨てたものではない日本社会や日本人、そういった心情を育ててきた躾や教育に感謝をも、改めて感じたのです。今頃、ため息を吐き続けているのに、その届けていただいた物入れを持って、今日は、近くのスーパーに、感謝して買い物に出掛けました。
(“ Christian clip arts ” の「いなくなっていた一匹の羊」のイラストです)
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