ふるさと

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 車の運転をやめ、散歩する様になって、住む家の周辺の様子を眺めながら歩くので、建物の陰や道路の窪地、路地の奥などの咲く花を見つけて、嬉しくなるのです。江戸期から、宿場町で商都でもあったから、蔵が点在し、そこを改装して住居にして住んでいたりしています。

 一昨年の秋の洪水で、冠水し老朽化した家には、結局は住めなくなって、多くの家が取り壊されてきました。市の災害援助があるので、それが加速しているのでしょう。この一年ほど、空き地が目につく様になっています。以前、お店をしていたのが、看板で分かるのですが、肉屋、八百屋、洋品店、蕎麦屋などが閉じています。贔屓をしていたお客さんが少なくなり、お子さんたちが、家を継がないのでしょう。大きなスーパーが出店したのも、その理由でしょう。

 今住むアパートも、以前は、この敷地で小型スーパーをしていたそうで、それ以前は回漕問屋をしてたと、隣に住まれる大家さんのお姉様に聞きました。江戸や明治期には、巴波川の舟運をした当時の出納帳を、先日見せていただきました。その頃の古松はにわにうえられてあり、記念物ものの三百年松です。

 昔、都人が、偉ぶって歩いていた日光例幣使街道の一部を「ミツワ通り」と呼んでいたそうで、電車で降りた近郷の方たちが、そぞろ歩いて買い物をされたのでしょうけど、今は、その影を追う様に、ひっそりしています。そこを曲がると、きっと「銀座通り」と呼ばれたに違いない通りがあります。そこも呉服店などは頑張っておいでですが、多くの商店の戸が下ろされているのです。

 この私のブログを読んでくださった、この近くの出身の方が、遊び回られたのでしょう、昔の街の様子を教えてくださいます。元禄二年、芭蕉が、紀行の途次にわざわざ訪ね、『室の八島に詣(けい)す。』と記した「室の八島」のことを、この方が研究されておいでです。郷土愛からの街の昔を教えてくださいます。時々、神奈川県下からお便りをいただくのです。家内も、散歩で出会う老婦人たちから、色々と昔話を伺ったり、先日は玉ねぎやジャガイモや煮物をいただいて帰って来ました。

 同じアパートの住人の実家の話や、家族構成まで知っていて、情報通の昔の隣組なのでしょう。ここには、「隣組」が残っているのでしょう、回覧板の受け取り箱まである家があります。岡本一平の作詞、飯田信夫の作曲の「隣組」を思い出します。

とんとん とんからりと 隣組
格子(こうし)を開ければ 顔なじみ
廻して頂戴 回覧板
知らせられたり 知らせたり

とんとん とんからりと 隣組
あれこれ面倒 味噌醤油
御飯の炊き方 垣根越し
教えられたり 教えたり

とんとん とんからりと 隣組
地震やかみなり 火事どろぼう
互いに役立つ 用心棒
助けられたり 助けたり

とんとん とんからりと 隣組
何軒あろうと 一所帯
こころは一つの 屋根の月
纏(まと)められたり 纏めたり

 今頃は、ハスの花が数千本見られる「つがの里」は花盛りだそうで、歩いて行ける距離ですが、昨日訪ねて来られた若いお母さんに、『ご一緒しましょう!』と言ってもらいました。「タンドリーチキン」を作って、持参された漬物で、お昼を一緒にしました。お嬢さんが、《創作大好き小女》で賢い一年生なのです。『百合さん、準さん!』と呼んでくれる、小朋友なのです。『ユリさん、大好き!』と言われて家内は、ご満悦です。今や《第四のふるさと》です。

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