華やかさの陰で

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 この写真は、次男が撮影した、オリンピック東京大会の主会場です。近代建築の工法を投入した、隈研吾の設計による競技場です。

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 これは、古代オリンピックが行われた、オリンポスの丘の聖域を復元した図です。ギリシャの国内から集められた競技者たちが、競技した地です。

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Vue du stade panathénaïque d’Athènes pendant les Jeux Olympiques de 1896, en Grèce. (Photo by API/Gamma-Rapho via Getty Images

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 この写真は、近代オリンピックの第一回大会が行われたアテネの競技場です。こんなに素朴な競技場だったのです。思い出すのは、クーベルタンが語った言葉です。教会の礼拝の中で、『このオリンピックで重要なことは、勝利することより、むしろ参加することであろう。』という説教が、牧師によって語られました。

それを聞いていた、当時のIOC会長のクーベルタンが、『勝つことではなく、参加することに意義があるとは、至言である。人生において重要なことは、成功することではなく、努力することである。根本的なことは、征服したかどうかにあるのではなく、よく戦ったかどうかにある。』と語ったそうです。スポーツはもとより、どのようなことも、「努力すること」に意味があり、奨励されるべきことなのです。

思い出すのは、アメリカ映画「炎のランナー ” Chariots of Fire ” 」で取り上げられた、一人のランナー、エリック・リデルのことです。1924年のオリンピックのパリ大会で、400mを世界記録で優勝し、輝かしい勝利を得た後、宣教師として中国に赴きます。戦時下、日本軍に捕らえられて獄中で病死しています。

彼と同じ収容所にいた、宣教師の子がいました。この人の両親は、雲南省で福音宣教と医療活動をしていました。日本軍に捕えられた時、リデルと出会ったのです。戦後、青森県下で伝道した、OMF(国際福音宣教会)の宣教師、スティーブ・メティカフ師が、その人でした。中国で残虐を繰り返す日本兵をも、「敵を愛しなさい(マタイ5章44節)」と、収容所内で持たれた聖書研究会で語るリデルのことばに従ったのです。

『「きっと自分にはやるべき仕事が残っているんだ。神様、もし僕が生きて収容所を出られる日が来たら、きっと宣教師になって日本に行きます。」という祈りであった。その祈りの通りに、25歳になったスティーブンは宣教師として日本にやって来た。』と、〈弘前福音キリスト教会通信〉で、彼の決心が語られています。

華やかなオリンピックの陰でなされた、驚くべき働きがあります。そんな目立たない働きを通して、この日本列島の中には数えきれないキリスト教会が建て上げられてきているのです。

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