今頃の季節、以前、私たちが住んでいた教員住宅の庭の崖に、この「天使のラッパ(Engel’s trumpet)」が、綺麗に咲き始めていました。まるで、地上の隅々まで、驚きのニュースを告げ知らせるかの様に、いっせいに鳴り渡るのではないかと思わせる様に咲いていました。
あの花を、大陸の街の崖淵で、初めて見て圧倒された私は、季節ごとに見たいばかりに、そこに住み続けていたかったのですが、水が湧き出る様な、崖の斜面に、家が位置していて、湿気が強く、暑くなると虫が出るので、どうしても越して来てしまったのです。そんな場所だったので、そんなに魅了する様な花が咲いていたのかも知れませんが。
この花は、別名、「朝鮮朝顔」とも言うそうです。根などには麻酔成分があって、江戸期の外科医の華岡青洲が、外科手術に際に、世界で初めて全身麻酔の麻酔薬の8割を、この植物を用いて作ったと言われています。この花は、当時、「曼荼羅華(まんだらげ)」と呼ばれていました。それで、日本麻酔科学会のシンボルマークに、この花がデザインされています。
先代のご両親が、お作りになって、今は手入れが行き届かない庭園なのですが、切られた枝木から、若芽が出てきて、雑草にも花が開き始めています。朝顔を、華南の地の6階のベランダで、しばらく育てて、鑑賞を楽しんできたのですが、今年は、種蒔きを家内はするのでしょうか。そんな《元気》が湧き上がる様に願っている、昼前です。
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