地産地消

 

 

今まで、「たらふく食べる」経験が二度ほどあります。こちらの有名なホテルのレストランには、バイキング形式で、中華料理、日本料理、西洋料理、そしてケーキやパンやアイスクリーム、蕎麦まであるのです。ご主人が政府関係の仕事をされていて、そのホテルの招待食事券を頂いて、この方の夫人と家内と3人で出掛けたのです。

刺身、寿司、生牡蠣、ローストビーフ、チーズなどが、ふんだんにあって、食べ終わったら、「コンゴの蛙」の様になって、破裂寸前でした。美味しいし、珍しかった物もあって、喉に剣を当てないで、食べて、ちょっと罪責感を覚えてしまったのです。帰宅して、恥ずかしくなってしまいました。

外国で、日本食と洋食が食べられる機会なんて、そんなに多くないので、〈食べダメ〉を決め込んでしまったのです。食い意地の汚さに、我ながら呆れてしまい、つい地が出てしまったわけです。母が、『高貴な人と、食事を共にする時は、剣を喉に当てなさい!』と教わっていたのですが、偉い人はいなかったので、つい油断してしまったわけです。

もう一回は、小学校に上がる前の年の夏でした。山奥にたった一軒の店があって、そこで季節の果物、桃を売っていたのです。どこかに行った帰り、父と二人でした。いくつ食べたでしょうか、父は制限なく食べさせてくれたのです。家に帰ったら、ゲリをしてしまって、母が父を怒っていたのを覚えています。

二回とも、美味しかったのです。「腹八分」が健康と、長寿の秘訣だと言われています。山梨県の棡原(ゆずりはら)村は、長寿で有名な村だと言われていました。その一つの理由は、その村は、山間の村で、閉鎖されていて、外部からの食べ物が入ってこなこないのです。ところが、地域間の流通が始まって、加工品を食べ始める様になってから、長寿村の名を失ったと聞いています。

何を食べるかが大切です。その生活する土地で作られた食物のを食べる、つまり、《地産地消》が人の体に一番好いのだそうです。私たちは、この13年間、この国の空気を吸い、水を飲み、野菜や肉や魚を食べてきました。でも外資系のスーパーがあって、そこでは輸入食料があり、それを食べる機会が増えたようです。日本製食料は、よその食べ物なわけです。

今朝、家内は退院して、その足で、日本で治療を勧められましたので、空港から日本に帰ろうとして搭乗手続きをしたのです。ところが、ドクターストップで、明日に延期になってしまい、家に戻ってきたのです。それで、夕食に、残っていた物で、野菜スープを作ったのです。「あご出汁」で味付けをしたので、美味しかった様です。食べ物が食べられるとは感謝なことですね。

(山梨県上野原町に吸収合併された棡原の部落です)

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