「いじめ」をgoo辞書で調べますと、『肉体的、精神的に自分より弱いものを、暴力やいやがらせなどによって苦しめること。特に、昭和60年(1985)ごろから陰湿化した校内暴力をさすことが多い。 』とあります。1985年は、第二次ベビー・ブーマーたちが中学に入ったj時期で、私の長男がそうでした。彼らは、急ごしらえのプレハブ校舎で勉強していたのです。漢字ですと、「虐め」とか「苛め」と表記し、英語ですと”bullying”、中国語ですと「欺负(qifu)・・・侮辱すること、ばかにすること」とあります。たしかに昔からありました。近所に一級上のマコっちゃんがいて、女4人姉妹の中の男の子で、ちょっと変わっていました、あっ、私も。ある時、一級違いは体力の違いも相当あって(私は肺炎で小学校4年の始め頃まで、病欠児童だったのです)、彼が私の上にまたがって殴り始めたのです。こちらは、男兄弟4人の中で揉まれていますから、そんなにヤワではありませんでしたので、体力の差を補って、泥を右手で掴んで彼の顔に投げつけてやりました。それで私を放した彼は泣いて家に帰って行きました。それから、二度と私の上をまたぐことはなくなりました。そんな彼でも、今のいじめっ子のような《陰湿さ》はなかったと思います。よく一緒に遊びましたが、我慢のない子でした・・・私も。

 いじめ対策は、経験からすると、綿密な作戦計画があれば、どうにかなります。最近、NHKアナの有働さんが、相当な汗かきであるのが話題になっています。私も、汗かきで、『これって健康だからだよねー!』と思っています。ところが視聴者から、局宛に相当数の苦情ファックスがたびたび入るのだそうです。また、いっしょの番組に出るアナの天然パーマの髪の毛にも、『チャライ、丸刈りにしろ!』と言ってくるのだそうです。これって、目に見えない「いじめ」ですよね。

 何でも思っていること、感じたことを、言葉で表現する自由がだれにもある時代になりました。言論統制のあった戦中や戦前のことを考えると、素晴らしくよい時代になったのですが。ところが今日日、過激、逸脱、暴走が見られるようです。ブログ、ホームページ、ツイッター、コメントなどが荒れているようです。これって、言葉の暴力であって、実に怖いものです。ある主張をすると、それを槍玉に挙げられて、非難される。そうされた方は、自分の発言を撤回したり、消去したり、お詫びや謝罪をするのです。知らん顔をして無視していると、轟々たる非難が上がって収集がつかなくなり、社会的生命や評価を失う方だって出ているそうです。何を言われても、人の口には戸を立てられないのですから、聞き流し、無視し、過剰反応してしまわないのがいい!

 私もブログを始めて、何年にもなりますが、意外と自制しながら書いているつもりでいます。書きたいことって、山のようにありますし、警告も批判も揶揄も, 怒りだって表現したいと思う時があります。でも書きすぎないように、遠慮がちにといつも思っています。幕末の幕臣で、薩長連合と図って江戸を砲火から救った勝海舟の《江戸版のブログ》、随筆が残っています。彼の、明治政府への苦言ですが。『・・・代わりはないサ、・・・角力を取つたこともある位だのにナ 、・・・といふ精神の関係だらうヨ・・・ 』と、「黙々静観」に記されています。語り口が砕けていて気取りがなく、どうしても元旗本の口調ではないのが面白いのです。彼の墓が、大田区の池上にあって、友人に連れられて見学に行ったことがあります。『だからサ、人を励まし、生きていく意欲を高め、幸せにする書き込みをすべきだよネ。そうだろうヨ!』、勝海舟だったら、ネ、サ、ヨで、こう言うでしょうか。


 人の生理的特質の汗もそうですが、一国の総理大臣を、バカ呼ばわりする風潮があります。仮にも、民主的な選挙で、国民の総意として選出された頭領なのです。主義主張、支持政党は違っても、そこまで言ってはいけないのではないかと思います。民主主義をはきちがえているのは、いただけませんヨ!ネッ!子どもころによく言いました、『馬鹿、バカという馬鹿は、おのれのバカを知らぬ馬鹿!』

(写真上は、勝海舟、下は、西郷隆盛と勝海舟の会見の様子です)

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