読書の秋

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「読書の秋」、今頃は、図書館の閲覧室は、座る席がないほど混み合っているのでしょうか。帰国する度に、兄の自転車を借りて、市内の図書館に、よく行きました。ある時は、多摩川を渡って、隣の市の図書館にも行ったことがあります。 学校に行っていた頃は、立川や青梅の図書館にも行きました。それは、試験の前の<ノート写し>のために、4〜5人が集まっては、黙々と写していたのです。

そういえば、図書館には独特の<匂い>があります。本のインクと年月を経た紙の匂いでしょうか。あるいは<本の虫>が運んで来る<読書好き>の匂いかも知れません。最近では、コピー・サーヴィスがあるのですね。また、珈琲や軽食のとれる一郭があって、一日中、空調の入ったところで<読書三昧>で過ごせるのです。そういえば、昔の図書館は暗かったのではないでしょうか。採光が好くなかったのと、電灯が少なかったし、照度も低かったのです。今は、どこでも好く設計されて整えられています。でも書庫が高くて、<仄暗さ>のあった頃が懐かしいですね。

また、近頃は、ネット回線の図書館が開かれています。よく開くのは、「青空文庫」です。著作権に制限を受けない作品が、ネット上で読むことができますし、ダウンロードも許可されているのです。夏目漱石や田山花袋や芥川龍之介、魯迅までも、その名作が読めるのです。

本と言えば、何時でしたか、古本屋で買った本の中に、<五百円札>を見つけたのです。板垣退助の肖像の新札でした。このお金の旅が、その本の中に封印されて、どこにも動きを取れない運命だったのです。『いつか家内とコーヒでも!』と、挟んだのでしょうか。それを忘れてしまったまま亡くなられて、奥様の手で古本屋に、その本を蔵書とともに買い取ってもらい、それが私に買われてやって来たのでしょうか。『本もお金も丸ごと買ったんだ!』、『しめた!』で好かったのでしょうか。でも、ちょっと正直になった私は、古本屋さんに連絡して、『かくかくしかじか!』を伝えたのです。店主は、『好いんじゃないですか、お使いになって!』と言う返事でした。

今度帰国したら、古本屋巡りを、どこか地方都市でしてみたいものです。そうしたら、過ぎ去った時代の人の<ものの考え方>や文化習慣と出会うことができそうですから。そう言えば昨日は、「秋分の日」でした。こちらの暦には祭日の印がなかく、授業がありましたので、忘れていました。

(写真は、”横浜金沢観光協会”の「金沢文庫」です)

 

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