今朝は、所用で、師範大学の旧キャンパスにでかけて来ました。予報は『小雨』ですから、『濡れていこう!』の春雨でしたが、やはりこの時期は濡れると寒く感じますので、小型の傘を携行しました。泣きそうな重い雲が立ち込めていたのですが、案の定、帰りがけには降り始めて、傘のおかげで濡れずに、昼過ぎに帰宅することができました。
近くに全国展開をして、急成長の「ショッピングモール」が、昨年末に開店したからでしょうか、バスの便がとても便利になってきたのです。いままでは乗り換えをしなければならなかった、師大の旧キャンパスにも、私が教えている学校にも一本で行くことができるようになったのです。もちろん、街中に行くのにも、動物園や博物館や森林公園に行くのにも、直通のバスがありますし、空港への「リムジンバス」の発着する市内のホテルにも、至便の距離にあるのです。ちょっと郊外型の住まいは、かえって中心街よりも便利になってきているのは、日本ばかりではなく、こちらの地方都市でも同じになってきています。
今までは、バスの中には、FMのラジオ放送が流れていて、たまに日本の歌が聞けて、『オヤッ!』と思う楽しみがあったのですが、最近では、その楽しみを奪われてしまい、バスの中でテレビが見えるようになっております。運転席の後ろと降車口の2箇所に、テレビが設置されているのです。サーヴィスがすごく良くなってきて、心なしか運転もラフではなくなってきているのは、嬉しいことです。このバスのテレビですが、帰りのバスで、日本のテレビ放送の合間に、「公共広告機構」が、募金や社会活動の案内などを放映し、広報や訴えをしているのですが、これと同じような内容のスポット映像が映し出されていました。
それは、大雨が降っている中、交差点の赤信号で大勢の人が、「青」になるのを待っています。道路に目をやりますと、枯れ葉が側溝の水落の格子をふさいで、みるみるうちに道路が水で溢れ始めているのです。そこに一人の青年が飛び出して、しゃがみこんで枯葉を取り除くのです。すると溜まっていた水が、『スーッ!』と引いていき、みなさんが靴を濡らさずに歩道を渡れるようにしたのです。拍手が上がったでしょうか、この青年はずぶ濡れになりながら、満足そうな表情を見せている、そういったものでした。「公徳心」を褒めるというのでしょうか、みなさんに、『同じように!』と訴えるのでしょうか、中国のみなさんが、かねてから大事にしてきた「有徳」の行為でした。
中国と中国のみなさんが大好きなのですが、時には、『嫌だなあ!』と思うことが、正直に言いまして少々ありました。ところが、そういった思いを、最近ではしなくなってきているのです。国が経済的に財政的に豊かないなるに連れ、人の心も、以前にもまして温かくなっているのを感じるのです。素晴らしいことであります。以前住んでいまた、学校の寮の近くに、『美味しい麺を食べさせてくれる店があるんですよ!』と、師大で日本語を教えていた、私と同じ学校の卒業生の先生が、食べ物情報を提供してくれた店(今は店主が変わっている)があるのですが、寄り道をして、そこで、ちょっと早めの昼食をしました。どこで食べるよりも、肉も野菜も小さな牡蠣もあさりも、多く入っていて、〈この街一番の味〉だと認めている麺で満腹になって、スカッとさせられた映像を見ましたので、私も満ち足りて過ごしている月曜日であります。
(写真は、こちらの住民が生活水のために汲み上げた「井戸」です)