さすが12月、バス停でバスを待ちながら、『ハー!』と息を吐きましたら、白くなり始めています。さしもの華南の地にも、冬が訪れてきたようです。雪も氷もない冬ですが、北から吹いてくる風が、だんだん冷たく感じられてきています。それでも日中、陽が出ていますと暖かく、若者たちの中にはTシャツの人もいるのには驚かされます。2006年から1年間過ごした天津の街では、もう、ずいぶんと寒いことでしょう。でも部屋の中には「暖機(nuanji)」という温水の循環式の暖房があって、近くの施設で石炭を燃料にわかされた温水が、送水管でアパートというアパートに供給されて、室内では暖かく過ごすことができるのです。薄着で生活していた、あの年の冬が羨ましく感じられてきます。
広大な中国大陸、長江より南の地域には、この「暖機」がありません。それで、みなさんは、外で着用している厚手のコートやジャンバーを着たまま、室内で生活をしているのです。その様子を初めて見て、ちょっと驚いたのですが、私たちは、電気ストーブで暖房していますので、結構温かな冬を、室内で過ごすことができています。それでも、最近出店した外資系の大型スーパーなどでは、空調設備が整って、従業員たちは薄い仕事着で立ち働いているのを見かけます。もともと冬の寒い日本の地で生まれて育ちましたので、案外と寒さには強いと自負していましたが、年々、寒さが身にしみてきおります。
最低気温が4度くらいにはなりますが、やはり、寒さを感じてしまいます。もう2週間ほどで、「冬至」になります。寒ければ寒いだけ、「春節」の到来が待ちどうしく感じる中国のみなさんが、『春よ来い!』と願う、「春待望」の心境が分かり始めて参りました。それでも、黄色や淡い桃色の花が、木々の梢で咲いてるを見て、華南の地であることを感じさせられている師走の朝であります。
〈写真は、長江上流、雲南省の金沙江の「虎跳峡」です)