ワカメちゃん

 4コマ漫画で、最も有名なのは、「サザエさん」でしょうか。この漫画の登場人物が、海産物の名が用いられていて、さすがに海洋国家、魚を食べて体を作ってきた日本の人気漫画だと、感心してしまいます。彼女の苗字が「フグタ」で、両親が「磯野」ですね。ご主人が、「マスオさん」で、「マスオさん現象」という言葉が飛び出すほどでした。この現象を、「知恵蔵2011」で調べてみますと、次のようにありました。

 『夫が、妻の実家に、婿入りという形をとらずに同居する家族形態。・・・世帯住宅が一般化した1980年代から使われるようになった。精神科医の和田秀樹は「パラサイト・ダブル(寄生する2人)」と呼び、こうした家族形態を推奨している。 ( 山田昌弘 東京学芸大学教授 ) 』

とあります。『たかがマンガ、されど漫画!』ということになります。私の父の時代には、「フクチャン」という新聞漫画があったと聞いています。その日その日の話題の中から、毎日、これを休まずに掲載するという作者の凄さに驚かされてしまいます。この「サザエさん」は、朝日新聞の朝刊に連載されていて、子供の頃父がとっていて、よく読んだことがあります。その後、父が読売巨人軍のフアンだったこともあって、「読売新聞」に変えてしまいましたが。作者の長谷川町子が亡くなってからでしょうか、テレビでもやっていたのですが、「4コマ」の面白さは格別だったと思います。毎日新聞では「フクちゃん」、読売新聞では「コボちゃん」が有名ですが、この6年以上、日本の新聞を読む機会がなくなってしまいましたので、帰国時に読む程度になってしまっています。

 この「サザエさん」の妹に、「ワカメちゃん」がいます。昨日、送迎バスのあるスーパーマーケットに、買い物に出かけたのですが、そのバスに乗り込んできた女の子が、「ワカメちゃん」の髪型、「おかっぱ」だったので、女房の脇をつついて、しげしげと眺めてしまいました。今は、日本では、変形したものはあるようですが、この原型は全くみられなくなったものです。懐かしさ、郷愁を感じてしまいました。娘たちの髪の毛を女房が切っていた時に、この「おかっぱ」にしたことがあって、二人がとても嫌がっていたのを思い出してしまいました。でも、よく見ますと、とても可愛いので、こういうのを”ノスタルジー(Nostalgia)”というのでしょうか。ここ中国には、「かつての日本」が残されているので、ときどき『ハッ!』とさせられることがあり興味がつきません。

 小学校の同級生は、天然パーマでない限り、ほとんどが、この髪型だったのですが、今では昔の面影はないのでしょうね。女房も、オカッパだったと言っていますから、遠い良き昔の出来事の一つなってしまったわけです。明日からは、「文月(ふづき)」、七月になります。真夏ですのに、旧暦だと「秋」になるのには、驚かされてしまいます。40℃以上の酷暑の夏を乗り越えたいものです。

(写真は、岸田劉生の「童女図/麗子立像(1923年,神奈川県立近代美術館)」です)

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