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最近、一つの英単語を見つけました。” Nudge (Najji)” です。討論会などが行われていて、それに加わって意見を述べるように、隣の人が、肘で軽く突っついて、『どう、君、素晴らしい意見を持ってるんだから発言してみたら!』と言って、相手を促す行為のことのようです。
また居眠りをしている隣の人に、『寝ないで!』と、注意を促すときに、肘でツンツンと突くことがありますが、そう言った合図を言ってるのでしょう。実際には肘で突っつくようなことはしなくても、テレビのコマーシャルで、購買を促すようなことって多くあります。強制はしませんが、『あったら便利かも知れないな!』と思わせて、手を伸ばして、買いたくなるように促すことが、テレビのShop では、よく観られます。
これって巧妙な勧誘方法のようです。ドイツのナチス党に、ケッベルス( Paul Joseph Goebbels )という宣伝相がいました。背後で、巧みに党の政策の宣伝を行い、ヒトラーに共鳴し、宣伝方法を駆使して、独裁国家を陰で支えた人物でした。その宣伝方策は、賢明なドイツ人を陥れて、支持を盗んだのですから、驚くほどのものがあったようです。
ナチスへの国民支持を、あれ程に操作した宣伝手法こそが、第一次戦後の困難な国際関係、経済問題などのもとで、ドイツでナチス台頭を促し、発展させ、驚くべき戦争犯罪を起こさしめた原因でもあったのです。総統と呼ばれた男の悪魔的な演説能力と、悪賢い宣伝で国を一つにしましたが、ドイツ民族に最大の汚点を残させたことで終わりました。
人が与えられた能力や才能が、正しく用いられないと、大変な結果を家庭でも、学校でも、会社でも、国家でさえも、滅亡へと導いてしまうのです。聖書にも、優れた助言者が登場しています。ダビデの議官のアヒトヘルです。
『当時、アヒトフェルの進言する助言は、人が神のことばを伺って得ることばのようであった。アヒトフェルの助言はみな、ダビデにもアブシャロムにもそのように思われた。(IIサムエル16章23節)』
そう言われるほどの助言のできる人物に裏切られて、息子の謀反で滅びるところでした。ところが神さまが介入されて、フシャイという人を、もう一人の助言者に立て、けっきょくアブシャロムは、アヒトフェルではなく、フシャイの助言に聞くのです。それで、謀反は失敗に終わります。
悪についたアヒトフェルは、自分の進言が受け入れなかったことで、故郷に帰って、家を整理した上で、自殺してしまうのです。《誰に聞くか》、これが大切です。この時代も同じです。溢れるような情報があって、さまざまな動機で発信されています。家内は、病んだからでしょうか、〈食べ物情報〉に強い関心を示しています。私は、『神が造られた物はみな良い物で、感謝して受けるとき、捨てるべき物は何一つありません。(Iテモテ4:4)』という考えでいますが、科学的に体に良くないものは、もちろん極力避けてはいますが。そんなに神経質ではありません。
でも、これからは、情報については、sensitive でなくてはならない時代でしょうか。私たちの脇腹を、そっと突っつくような促しもあれば、アヒトフエルの様な悪い助言もあるからです。でも今や、もっと気をつけなければならない情報源があります。
今や、宣伝や広報は、” AI “ を用いたの時代になっています。それを用いて、” Fake News “ が発信されているのです。それは、頻繁に起こっていて、さらに増え続けるに違いありません。聖書は、「欺く者」がいること、切羽詰まった時代の只中で、偽情報を故意に発信されて、神により頼むことのないように、神に反逆するように働きかける時代こそ、今だからです。
『諸国の民よ。主のことばを聞け。遠くの島々に告げ知らせて言え。「イスラエルを散らした者がこれを集め、牧者が群れを飼うように、これを守る」と。 (エレミヤ31:10)』
今こそ、「主のことば」を聞く時です。情報操作がなされ、さまざまな動機で語られる声、情報の間で、義なる神が語られることを聞く必要があります。右にも、左にも逸れることなく、真理の大路をまっすぐに歩むためにです。聖霊なる神さまは、私たちの脇腹に、肘を触れて、” Nudge (Najji)” されるに違いありません。「主のことば」を聞くように促してくださるのです。
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