秋にも七草がある

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『ゆりの花のことを考えてみなさい。どうして育つのか。紡ぎもせず、織りもしないのです。しかし、わたしはあなたがたに言います。栄華を窮めたソロモンでさえ、このような花の一つほどにも着飾ってはいませんでした。 (ルカ12章27節)』

 「春の七草」は有名ですが、秋にも「七草」があるようです。山上憶良が書き残した記事の中に、それが窺えるのです。

女郎花(おみなえし)

 『遊里の女性のことを想像してしまいそうですが、「おみな」は「女」の意、「えし」は古語の「へし(圧)」で、美女を圧倒する美しさから名づけられたそうです(HP「季節の花300」から)。松尾芭蕉は、「ひょろひょろと猶(なお)露けしや女郎花」と詠んでいます。女性の「清楚さ」を表すような彩りの花です。

薄(すすき)

 スーパーマーケットのK店長さんが、長靴をはいて、鎌を持ってでかけていくのを見たことがあります。どこに行くのかと言うと野原に行って、薄を刈ってくるのです。お客さんへの月見用で持って帰っていただくためでした。炭焼きをする人は、すむだわらに使ったそうで、家畜を飼う人は飼料に使ってきたのです。昔の農家の屋根は茅葺でしたが、この薄も用いられたようです。語源ですが、ススキの「スス」は、葉がまっすぐにスックと立つことを表わし、「キ」は芽が萌え出でる意味の「萌(キ)」だと言われています。

桔梗(ききょう)

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 何の時代劇だったでしょうか、その主人公に、桔梗介がいた記憶があります。この花は、武士が好んだそうで、家紋に使われることが多かったそうで、明智光秀の家紋でもあります。す。父は、自分の「家紋」を持っていて、羽織の襟にその紋が入っていたのです。すぐ上の兄の家に、父の羽織も袴も残っているので、確かめないといけませんね。もう家紋を持つ時代ではなさそうですが、持ってみたい思いもなくはない、懐古趣味の私です。あの形状と紫色が好きなのですが、日本古来に伝統色なのだそうです。今年も家内が朝顔を植えたのですが、花の色に、「桔梗色」があるので、それで朝顔が好きなのでしょうか。

撫子(なでしこ)

 わが子を可愛いと撫でるように、可愛らしさをたたえているので、そう命名されたそうです。World Cup 女子サッカーのニッポンチームを、この花で呼んでいたのですが、『中国から平安時代に渡来した、「唐撫子(からなでしこ:石竹)」に対して、在来種を「大和撫子(やまとなでしこ)」と呼ぶ。日本女性の美称によく使われる。(HP「季節の花300」から)』のだそうです。清少納言が、「草の花は なでしこ 唐のはさらなり、大和のもいとめでたし(枕草子)」と詠んでいます。

藤袴(ふじばかま)

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 目立ちたがり屋だったからでしょうか、卒業式に、弟の絣(かすり)の着物に袴を履いて列席しました。また母に縫い直してもらった父の大島の着物に、袴と羽織りをつけて、アメリカの西海岸の教会で、娘の結婚式があり、列席しました。家内も母も、和服でした。小さいピンク色の花で、盛りだくさんに咲き誇ります。花の色が藤(ふじ)色で、花弁の形が袴(はかま)に似ているので、そう命名されています。昔の人は、「薬袋」に入れて携行したそうです。香水などつけたこともない身ですが、一度、懐に、「薬袋」を入れて歩いてみたいものです。

葛(くず)

 お八つのない時に、葛粉をお湯でといて、砂糖を入れて食べた、と言うよりは飲んだことがよくありました。大和の国(奈良県)の吉野川の上流に、国栖(くず)というと部落があります。そこが葛粉の産地であったところからの命名されています。漢字の「葛」は漢名からきています。東京の葛飾区は「葛」を用いています。「万葉集」の表記は、勝鹿・勝牡鹿・可豆思賀といろいろとあったようです。ひらがな表現だったからでしょうか。ものすごい旺盛な成長を見せて、蔓(つる)は10mほどにも伸びていくそうです。

萩(はぎ/憶良は朝顔としています。読んで字の如し、で、「秋」の「艸(草)」だからだそうです。実際は、夏前から咲くのですが、秋には萩がよく似合う、で、九月の花なのでしょう。山口県に、萩市があります。やはり、市の花に指定されています。語源ですが、土の上の部分は、少し残して枯れてしまい、毎年新しい芽を出すことから、「はえぎ(生え芽)」と言われ、やがて「はぎ」に変化したのだそうです。

 花は季節に従って咲き、次の季節を迎える前に散っていきます。散った後に、来季の花の備えをするのです。花の命さえ、創造者の意図があり、咲くも、枯れるも自在です。私たちを楽しませ、慰めてあまりある生き物です。神が装い、命を付与なさるのです。賢王の栄華も、野の花に及ばないのです。全てが命の付与者の御手の中にあります。

(HP「興味津々」より)

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