お手上げ

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 最近、市内の無信号の横断歩道に立つと、車が止まる様になってきています。この県は、県警によりますと、横断歩道で人を見かけたら、停車しないので有名を馳せているそうです。それで他県から乗り入れる運転者に顰蹙(ひんしゅく)を買っていると聞いています。欧米では、そうすることは、運転者の義務ですから、日本では守られていないのを知って、彼らは驚いています。

 華南の街では、歩道を車が走ったりしていましたから、道路を渡る時は、横断歩道で手を上げて、『俺、これから道路を渡るよ!』と合図していました。そんなこと誰もしないので、『アッ、日本人!』だと分かるのだそうです。手を挙げることですが、〈お手上げ〉と言う言葉があります。中二の私の担任は、思春期の危うい不安定の真っ最中の私を見て、〈お手上げ〉だったのです。

 細かなことは省略しますが、中学入学と同時に、ご自分と同じ大学進学を期待してくれて、激励してくれたのに、期待に背いて、あちらこちらでワルをしている私に、担任は、渋い顔を向けていました。ところが、中三の最後の通知表の「行動の評価」欄に、『よく立ち直りました!』と書き込んでくれたのです。

 高等部に上がることを祝福してくれたのです。その高校の全国レベルの運動部に入って、受験勉強をほとんどしませんでした。母が、輪禍にあって一年近く入院してしまい、その部活も休部を余儀なくされてしまったのです。でも無事に卒業でき、大学にも入り、卒業と同時に、学校長が理事長をしたことのある研究機関に就職したのです。

 さらに教師になったのを驚き、また伝道者に、私がなったのを知った担任は、『そうですか、お母さんと同じ道を歩んでいるのですね!』と、上の息子をつれて挨拶に行った時に、言ってくれました。息子を見た担任、『君は大丈夫そうだね!』と言っていました。私が〈お手上げ〉をしていないからでした。

 「手を挙げて」ですが、横断歩道で、挨拶をして、ちょっと頭は下げて、感謝も添えて渡ると、こちらも、そして相手も気分が良さそうです。これまで、台湾、韓国、シンガポール、マレーシアのアジア圏の車のマナーを眺めましたが、アメリカやカナダやアルゼンチンなどと、” motorization “ を比較してみると、早く車社会になった国々とは、運転の manner に大きな違いがあります。ただし、シンガポールは例外でした。

 この県も、運転の manner が改善されつつありそうです。〈お手上げ〉の私が、横断歩道で手を挙げているのを知ったら、私に〈お手上げ〉だった担任は何を思うのでしょうか。もう他界されておいでですが、感謝しながが思い出しております。

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